それでもお兄ちゃん 2

黒沢家の得意ごと ページ39

「月子、邪魔だどけ。」
「あぶないから、あっちにいて！」

子供達と絵美ちゃんと一緒に部屋の隅に避難させられて、わさわさ動く兄弟姉妹を見てる。

「月姉、これどこ？」
「月子〜これでいいのか？」

背の高い筋肉質な男子とちゃきちゃき動きたいしっかり者の女子か集まる黒沢家だから引っ越しは得意分野。
みんな路頭に迷ったら一家で引越業でもしたらどぉ？

「つきねー、あれ着て見せて。」

「将ちゃんは早く愛ちゃんに着せてあげなさい。」

「いくらシスコン(ΦωΦ)でもあの絵には勝てないよψ(｀∇´)ψ」

「でも…ねーのもみたいもん。
　俺だけで見るから。」

「ちょっと！みおの言ってること聞いてるの！ヽ(`Д´)ﾉｷｹ！」

「ねーねー、約束だよ。」

「無視すんなー！！シスコン！」

まだまだ闘いは終わらない(-_-;)

「なんだ？この寝室は？
　こっぱすがしくて寝てらんない。」

「別に哲也に寝てって言わないもん。」

「これの為に戻ってスマホ盗られて、飛行機乗れずに迷惑すぎるわ！」

「そうですね、ブレイン哲也様は頭がよろしくていらっしゃるから、クイズ出してゴールでバラの花束持って待ち伏せしてプロポーズ
なんてロマンチックなことは恥ずかしくてしませんよね。」

「(////)」

「哲也お前そんなことしたの？
うわー、俺には無理だわ。
バラの花束でプロポーズとかベタ過ぎて無理だわ。」

「ケンチうるさいっ！
お前も指輪だったろ！
みんなの前で言ったな月子！」

「ふーんだ。」

こちらも実りのない闘いは続く。

そんなことしててもあっという間にお引越しが完了。

「みんなありがとう。
明日はお礼の食事会するから来てね。」

「よーし、今夜は本家で食事な。」

良兄の一声。
そういえばいつの間にか陽ちゃんとゆきちゃんがいない…。

「1時間後本家居間な。
　それならシャワー入れるだろ？」

「「「はーい。」」」
.
.
.
「やっぱりすごいな。」

「大所帯だからね。
ベッドだけ整えちゃうね。
シャワー浴びてきて。」

大きなベッド…シーツ類はネット購入だ。
思いながら苦戦しながらもなんとかベッドメイキング完了。

マリア様…もう少し健一といさせて。
こんなに素敵な居場所がここにできました。
マリア様も居てくれます。
だから…健一と生きたいです。
じっと絵を見上げてたら…

「月子！」

健一の声にびっくりした。

「良かった…意識なくしたかと思ったよ。」

「心配性だね、ご主人様は。」

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