WILD DOCTORＳ

赤いページ ページ9

「空飛君どおした？」

叫びながらベッドの上で暴れている姿は子供の猛獣だ。
ナース達は手を噛まれたりして傷だらけだ。

「オッケ、安定剤持ってきて。
　一度落ち着かせないと。」

男のナース三人で押さえて、要約注射、静まった。
寝ている姿は天使そのもの。

「怪我してる人は大丈夫かな？
　外科は今混乱してるから、
ひどい人は見せてね。」

幸いそこまでひどい人はおらず、
止血と包帯で済みそう。

「何きっかけ？」

夜の担当の子を残して、後は其々の担当へ戻した。
夜は叫んだりする患者さんも多くて、
ひとり暴れだすと連鎖することも多い。

一度、全患者さんを確認するように指示を出した。

「大丈夫だからね、君のせいじゃない。
何があったか教えてくれる？」

まだ若いナース、きっと病棟にも来たばかりだろう。
あまり責めると萎縮して、またミスる。

「あの…本を読んであげてたら、
いきなり暴れだして…
初めてだったので怯えてしまって、
すみませんでした。」
「謝らなくていいよ。
　こういう所にいれば、ある事だから、
次からは習ったとおりにね。」

その子の話では、ページの大半を赤で塗られた絵を見た時にそうなったらしい。
火事の火か、大量の血か…
それとも別の何かなのか…
明日以降だな。

「小児科の先生は？」
「はい、先程黒木先生がみえて、お腹は
出血はないけど、胃にはダメージを受
けているから、柔らかい食事を指示さ
れました。」
「じゃあオペは無いね。
　明日からまた笑顔でね。
　笑顔の方が可愛いから。」

中々可愛い新人ちゃん。
これに懲りずに頑張ってほしいな。
ナースの希望少ない科だから。

しかし…外科は忙しそうだな
哲也明日いいのかな…。

交差点での多重事故か…
大変そうだ。

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