WILD DOCTORＳ

お持ち帰りでも？ ページ49

「声はかけられた。
　たけど加担できないよ。
　俺と哲也は断るつもりたけど、うまく辞め
ないともう診察すらできなくなる。
　医者として生きていける道を残したいし、
できれば仲間達は仲間を助けたい。」

けいたんの考えを聞きたい。
そう思って聞いたらこの返事。
土田先生が反したら、陽ちゃんはどうなるんだろう…

「けいたんが反対側でよかった。
　私はそういうのやだもん。」

「だだな、事が大きくなりすぎて、良平は
もうかっちり組み込まれちゃってるし、
岩ちゃんも賛成側に入るらしいんだ。」

「岩田先生と言えば…なんだけどね。」

女子会の話をしてどんな人かと聞いてみた。

「基本いいヤツなんだよ。
　ただ、少し承認欲求が強いというか、
出世欲が強いと言うか…。
　真面目にやればいい医者になれるんだけ
ど…。
始まりはお持ち帰りでも、ちゃんと付き
合えばいいんだろ？
　あとは二人の問題。
　男と女は10組いたら10通り。
　愛し方はそれぞれ違う。
　様子見てやったら？」

男の中ではお持ち帰りは有りなの？
そのままで良いんかな？
それに月ちゃんはなんなの？
調べようかなぁ。

それにけいたん、佐藤理事、土田先生、院長、岩田先生って絡むなら、うちのメンバーも私、雪花ちゃん、陽ちゃん、ゆきちゃんが絡んでくる。
大変じゃん！(´Д｀)

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

「なにこれ？」

土田先生は受け取った封筒をピラピラさせて聞く。

「先に渡しておきます。辞表です」

「理由は？」

「直人先生からの診断書です。」

書類にしてもらって提出した。
きちんと目を通してくれる、
こういうとこ尊敬してる。

「最近よく聞く病名けど…痛みは？」

立っていた私を誘うようにそっと背中に手をおいて座らせてくれた。

「かなりひどいです、正直。
　オペはしない方がいいと。
　だからなるべく早く後任の方を探して
欲しいです。」

「わかりたくないなぁ、俺。
　先生もいて、新しい方を入れるのは？
　整形は人気あるんだよ。
　先生指名の方も殖えてるのに…」

「悔しいです、私も。
　でも、だからこそミスはできません。
　直人からも早く辞めるよう言われました。
　薬の副作用も出てますし…
　皆さんに迷惑や負担はかけられません。」

「とりあえず、これは俺預かりにしとく。」

土田先生は、辞表を自分の机の引出にしまった。
それから、優しい声で

「ここからは彼氏の上司。」

って笑う。

「将吉には？」

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