WILD DOCTORＳ

飛んで火に入った目覚ましちゃん。 ページ40

お酒はあまり飲まない
そう言うゆきちゃんには甘いけど
強いお酒がいいよね。

「わぁ、これ美味しいです。」
そう、それですごく酔うの、それ。
「良かった。そんなに強くないし
　飲みやすいでしょ？
　お料理食べよ。」
「これ、オイシー。
　キレイ、食べれるんですか？」
反応が可愛いね。
知らないことを恥ずかしいと
思ってなくて、素直に聞けるのは
いい環境で育った証拠だね。

「もっと飲んていいよ。
　ちゃんと送っていくから。」

夜道は気をつけないとね。
これから君が知らない悪い人も
いる世界を教えてあげる。
たくさんお勉強してね。ゆきちゃん

「岩田先生ってお目々が
　ポメラニアンみたいですね。
　可愛い(・∀・)」
「そお？そんなことよく言われる
　なーんて笑」
そんな可愛い子犬じゃないの。
さーんねんだね。
俺ね、ホントはこわーい猛獣さん。
ベッドの上では野獣さんなの。

「飼ってるの？」
「はい。かわいいんですよ。」
「じゃあそのワンコは、ゆきちゃん
　のお着替えとかも見てるんだ、
　いいなぁ、そのワンコ。」
ほらほらもっと飲みな。
もうかなり足とか来てるはずだよ。

「お手洗いに行ってきますね。」
「出てすぐ右だよ。」
行けるかなぁ？多分無理かな。

トイレに行こうと立ち上がった。
そしたら地球がまわってる。
まっすぐ歩いてるのにあれれ？
「危ないよ、酔っちゃった？」
岩田先生って優しい。
すごーく仲良くなれたの。
明日みんなに言うんだ。

「せんせー、もう一軒！」
「無理だっての。
　ほら、おんぶして。お家は？」
送る気なんてないけどね。
「先生の背中あったかーい。」
酔ってきて、おんぶで揺られて
寝ちゃうんだよね、女の子。
「ゆきちゃん寝ちゃったの？
　困っだなぁ。」
予定通りだよ、ゆきちゃん。
じゃあお望みどおり野獣さんが
もぐもぐ食べてあげるね。

「ほら、お家だよ。」
「せんせーお風呂。」
「お風呂は明日の朝にしたら？
　もう半分寝てるじゃん。」
「うん、ねる！」
酔ってるなぁ。見本みたいに。

「寝室はこっち。
　ここがベッド。」
「ふかふかだぁー。」
気に入った？しばらくはここが
君のベッドだからね。

「せんせーも寝ましょ？」
「いいの？じゃあ寝よっかな。
　かわいいゆきちゃんの隣で。」
「お休みなさーい。」
「いただきまーす。」

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