WILD DOCTORＳ

従兄弟先生の診断 ページ24

「月子、お前どこが痛いの？」
従姉妹の直人に呼び止められた。
「ん？なんで？」
小さな頃から仲良しの親戚の
お兄ちゃん。ひとりっ子の私には
心強い味方の人。
この病院に来れたのも直人の
推薦があったから。

「痛み止め、あの薬の限界量
　飲んてるなんて、どんだけ
　痛いの？」
「ばれちったか。内緒ね。」

「検査結果とか全部見たよ。
　どこも悪くねーのに激痛て
　俺の分野じゃん？何でこねーの？
　直人先生寂しいっ。」
いつも笑わそうとしてくれる。
優しい直人。

「リウマチ反応もなし、
　疲れは？」
「かなりひどい疲れ。
　うちに帰ったら崩れるように
　寝てる。意識が飛ぶ感じ。」
「気絶してんじゃねーの？」

「お前、自分でもわかってんだろ？
　疑うのはＦＭとＣFＳだ。
　いつから我慢してた？
　今なら早期なら治るのに！
　なんでこない！バカヤロー！」

「子供の頃からどんくさいよね！
　よく転ぶし、足遅いし、
　運動神経ゼロで、運転ヘタで」
「ふざけんなよ…
　もう一つど天然足しとけ！」
そう言ってふわっと笑う。
直人のかわいい笑顔だ。

「とにかく、別の薬も出す。
　あとで受け取りにいけよ。
　あと、副作用でめまいがある。
　上には言えよ。オペ控えろ。」
「ありがとう、直人。」

「とにかく早く来い！
　名医が待ってるから。」
歩いていくナオトの背中
男性としては小柄なのに
今日はとても逞しく見えたんだ
疑ってたけど認めたくなかった
病気はまだあまり知られていない
難病指定されてない難病だった。

進行を止めてくれれば
なんとか仕事は続けられる。
この病的な疲れと、体の痛みさえ
無くせればあとはがまんする。

ひとりで抱えてた不安を
少し背負ってもらえたことで
少しだけ楽になれた。

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