WILD DOCTORＳ

プライベートも大切 ページ21

「あ゛〜腹立つ！」
アホな親ばっか。
引越したって今なんとか
なるだけで逃げ切れないだろ！

だけどそんな親なら空飛を渡さない方向で動かないと。
大樹はもちろんそうするだろう。

でも…、親なんだ、子供は。
どんなにひどい親でも庇う。
だから痛くないと嘘をつく。
自分でやったなんで。

自分の命の火が消えてしまうまで
お父さんとお母さんが大好きだ。

て、堂々巡りの悩みを頭の中
回してると
「あ゛〜！！」
ってなるんだな。

「あれ？絵美ちゃんも帰り？」
エレベーターホール、先に
待ってたのは絵美ちゃん。
「どーぞ。」
仕事中ならドクターが先。
だけど今はプライベート。
レディファーストね。

「じゃあ今夜おいでよ。」
「え？」
真っ赤になってる絵美ちゃん。
雪花ちゃんにも、月先生にも
ユキちゃんからも
「啓司先生のこと好き好きオーラ
　出てるのにわかりません？
　やっぱりチャイですね！」
なんで怒られたし。

「マンゴー、取りにおいでよ。
　腐っちゃったら月先生に悪い。
　内緒で空飛にも食べさせて
　やって。」
「でも…自転車…。」

絵美ちゃん寮なんだ。
「帰りに寮まで送るよ、
　その時自転車持ってけば？
　このままおいでよ。
　飯ご馳走する。」
頑張れ、俺。
チャイを返上するんだ！

「では、遠慮なく。」
「うんうん、おいで。」
オレにもリア充の波 きてる〜。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

「ねぇねぇ月ちゃん、
　淋しかった？」
「うん、すごーく。」
2ヶ月ぶり？将ちゃんが救急外来
担当になってからだから。
だから余計にくっつき虫。

「じゃあさ、病院でも逢いたい。
　隙間時間とかキスだけでも。
　一緒に通勤とかしたい。」
「だーめ。秘密にしてるのは
　将ちゃんの為なんだよ。」
「もうみんな知ってるし、
　よく同期に聞かれるよ？」
「でも、ホントに私が将ちゃんの
　彼女だってわかったらみんな
　遠慮しちゃうでしょ？
　同期とは絶対に仲良くしといた
　方が将来良いの。」
将ちゃん不満顔。
そんな顔もかわいい(*´∀｀*)
「言いたいじゃん、
　俺のですーって。
　取らないで〜って。」
「将ちゃんはロビーとかで本当に
　叫びそうだから怖い。」
「俺も一応医者だからその辺の
　空気は読むよ。
　ちょっかい出されてない？」
「誰も私なんて相手にしないって」
「月ちゃんわかってないだけだよ。
　危なっかしいなぁ。心配」
かわいい野獣の年下彼氏。

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