WILD DOCTORＳ

疑惑 ページ31

「陽、悪いけどお茶出して。
　俺入れて4つね。」

「はい。」

兄に言われて席を立つ。
秘書的な仕事を頼まれてしてる。
社長室の前の部屋。
私ひとりしか居ない部屋。
たまに哲也さんが来るけど、それは兄がいない時。

「失礼します。」

部屋に入ると兄と黒澤先生、岩田先生に知らない方
黒澤先生と岩田先生は内科
内科で何が大きな機械でも
買うのかなって考えてた。

「机のうえの書類を指定してある
　場所に郵送して。
　バラバラになってるかもだから
　よく確認して。」
「わかりました。」

「妹なんですよ、
　手伝ってもらってます。」
「いいですね、仲がよろしくて。
　うちの娘と息子は喧嘩ばかり。」
「二人きりの兄妹なんで。
　自然とそうなって。」

両親が早くになくなって、
それからは兄が育ててくれた。
兄は優秀な人で医学生になり
主席で卒業したあと大学病院を
いくつか回ったあと、
ここを建てた。

「で、例の件ですが…
　相手方もありますから
　動き出しても構いませんか？」
「あと一人、外科のほうが…」
「素晴らしい先生がいるでしょう
　先日もテレビで拝見しましたよ。
　土田先生とかおっしゃる…」
哲也さんがなんだろう…
聞いていたかったけど書類が
揃ってしまって部屋を出た。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

「本日はありがとうございます。」
お昼から豪華な…料亭？
「本日は事務方の者を連れて
　きました。なかのことは彼女の
　ほうが詳しいと思うので…」
篤志さん、聞いてないよ。
何を聞かれるの？

紹介されたので挨拶をした。
「最近は医療秘書という仕事の方
　が増えましたね。」
「彼女もそうなんですよ。
　メンタルケアにいます。
　なので秘密の漏洩は
　ありませんから。」
なんの話？秘密？
漏洩はないってなんの話だろう。

「提供しそうな方は…？」
「4名は確実で3人話中です。」
　合う、合わないありますし、
　年齢やサイズもあるので…。」
「資金は？」
「イチは欲しいと。ですがこれは
　まだ下がります。
　相手もバレたら困る
　わけですから。
　今はこちらが下手に出てるので
　勘違いをしてるんでしょう。」

「雪花、隔離にいる患者さんで
　ご家族と全く接点の取れない
　方は何人くらい？」
「現在常時6名くらいの方が
　その状態です。」
「ありがとう、たべていいよ、
　美味しいうちに折角だから。
　そちらもどうぞ。」
篤志さん見たことない顔してる…
良くないことじゃないよね？

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