雌ライオンはひとりでいい 2

真夜中の訪問者 ページ47

その夜、真夜中、起こされて時計を
見たら時計は２時を指してた。
「Aごめん、ゲストルーム
　使えるようにしてやって。」
お酒臭い…。
ガウンを羽織って哲也さんを
廊下に出した。
「おかえりなさい、
　どなたかお泊り？」
「ただいまぁ。Aは俺と寝よ。
　亜紀、泊めてやって。」
…同期の男性かと思ったら…亜紀さん
今まで2人で飲んでたの？

それでもすぐに部屋を確認して
準備はできてるから
「いつでも寝れるよ。」
「水とか置いといてやって。
　ゴメンな。」
ミネラルウォーターを出して
コップと枕元においた。
冷たいおしぼりも出して哲也さんに
渡してから亜紀さんにも。
ほとんど意識のない亜紀さん…。
「オレ、連れてくからいいよ。」
そのまま一緒に寝れば！
出かけた言葉を飲み込んだ。

「ありがとな、ゴメン、最後に
　お茶漬けお願い。」
って言ったのに作ってる間に寝た。
「哲也さん、ここで寝ないで。
　風邪ひくからベッドに…」
「ん〜、A〜、一緒に寝よ。」
ため息と涙今日何度目？
「立てる？着替えて。
　明日の診察大丈夫？」
「起こしてね…。」
なんとかベッドに寝せて
ひまの部屋に戻って寝た。

次の日朝食の準備をしてたら
亜紀さんが起きてきた。
「おはようございます。
　シャワー借りますね。」
「はい、ゲストルームにも
　シャワー室ありますから。」
「そうなんだ…ありがとう。
　奥さん、たまには哲也君息抜き
　させてあげてね。
　その手や娘さんで縛るなんて
　ずるいわ。」
縛ってないもん…。

「Aおはよ〜。」
起きてきて背中にくっつく哲也さん
「昨夜のお茶漬け…オレ
　食べたっけ？」
「寝てしまったから片付けたよ。
　今亜紀さんシャワー浴びてる。」
「ゴメンな。ひま〜おはよ。」
ひまはちらっとパパを見ただけ。
「ひま、パパにおはようは？」
「ひまたんパパ嫌いだもん。
　ままのこと泣かすから嫌いよ。
　パパもあのおねーさんも嫌い。」

「怖いね…ひまたんは。それとも
　ままに何聞かされたの？」
落としたコーヒーを出すと
飲みながら新聞を読んでる。
「ごはん、パン？」
「ごはんで。亜紀もたぶんそう。
　おれは目玉焼き1つ。」

だから和食を出したら…
「私、最近パンなの。
　でも、頂くわ、ありがとう。」
食べるなら言わなきゃいいのに…。

微妙な空気の朝食のあと
亜紀さんは帰っていった。
「またね、哲也君。」
「またな。」
二度と来ないで…心の中で呟いた。

どっち？→←行かないで…。

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