面会 ページ18
今市先生から面会の許可が降りた。
将吉先生と一緒に会うことにした。
二人で出かける時、凪ちゃんの視線が気になったけど、だからといって行かないわけにはいかない。
「A、昼は何食べたい？」
歩きながら聞く先生には、罪は無い。
ますます視線が痛くなるだけだ。
「啓司さんのオムライス。」
「よし、食べてから行こ。」
「ふわとろオムライスとキャロットサラダ。」
「同じの大盛りで！」
カウンターは、啓司さんの動きが見れるから好きな席。
流れるようにお料理してる所や、味見したりしてる姿が見れる。
見てると楽しい。
「お待たせ。」
今日も安定の美味しさ。
面会には、今市先生の立会が必要だった。
被告人葛西育美は、ベッドの上、ぼんやり一点を見つめていた。
「葛西さん、弁護士の八木です。
あなたの弁護を担当します。
よろしくお願いします。」
返事は無い。
目の色も変わらない。
「葛西さん、同じく弁護士の土田です。
よろしくお願いします。」
反応は同じ。
「うちの主人も、あなたと同じで私の連れ子をとても大切に、娘のように育ててくれています。
とても感謝しています。
まだ、言葉を話すか話さないか、そんな頃からの親子です。」
反応は…？無し。
本当なの？まだわからない。
心のガードは、そんなに簡単にははずれない…。
「葛西さん、このお二人はあなたを守る側の方なんだよ。
安心して、自分の気持ちを話してもいいんですよ。」
今市先生の言葉にも無反応だ。
「これから毎日、僕か土田のどちらかが必ず来ます。
ですから、少しずつお話して下さい。
では、また明日来ます。」
将吉先生は頭を下げて
「失礼しよう。」
と振り返る。
私も頭を下げた
ドアを出ようとして足を止めた。
「葛西さん、人の心はそんなに簡単には壊れませんよね。
人にも心は開けない。
だけどそれは、起こった事実を受け止めているから。
今のあなたは、わたしにはそう見えます。
あなたは今、娘さんのお墓の前に立てますか？
立てないのなら、それはあなたが自分を無くしてはいないからです。」
「A先生！やめた下さい！」
今市先生がそう言って止めたので、そのまま部屋を出た。
「A、らしくないぞ。」
将吉先生にも窘められた。
「今市先生、変化を見てて下さい。
今ので何かあれば、彼女はわかってます。」
「将吉先生、私このまま小林先生に話を聞きに行きます。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 163人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「芸能人」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユキ(プロフ) - 明日はいよいよ紅白とお正月カウントダウンだよね三代目とEXILEの岩ちゃんポメラニアン方ばっかり見る(///ω///)♪ (2018年12月30日 19時) (
レス) id: 7bd6b3fcc4 (このIDを非表示/違反報告)
黒木蓮(Kuroki･Len)(プロフ) - あ〜あ、お二人さん気を付けないと、また、ひまたんに見られちゃうかもだよ〜。(/ω･＼)ﾁﾗｯ (2018年12月30日 17時) (レス) id: 6a7a2c1ba4 (このIDを非表示/違反報告)
黒木蓮(Kuroki･Len)(プロフ) - つくよみさん» つくたんも、ありがとうだよ(はあと) (´∀｀*)ε｀ ) ﾁｭｯ (2018年12月30日 17時) (レス) id: 6a7a2c1ba4 (このIDを非表示/違反報告)
つくよみ(プロフ) - 絵美たんお疲れ様です。冷え性には辛い季節だよね。電気毛布使ってても朝起きると手足の冷たさにウーってなるよ(>ω<) 温かいもので体を温めてね。 (2018年12月30日 17時) (レス) id: 582338d1af (このIDを非表示/違反報告)
黒木蓮(Kuroki･Len)(プロフ) - みおさん» 暗いのは仕方ないのだけど、除雪車が走っている時間帯＋信号も止まっている時間帯だから、ドキドキ感と気遣いの早朝出勤。でも、わたしはメッチャ近いから、通勤もまだ楽かな。自動車通勤で３０分かけて来ている人が、今のところの最も遠い人、大変そう。＼(◎o◎)／ (2018年12月30日 16時) (レス) id: 6a7a2c1ba4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：月詠 | 作成日時：2018年12月22日 8時
