検索窓
今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:40,505 hit

逃げ場 ページ7

「愁平、ここあの人の家なんだ。」

「ここ?マジで?」

改めて見るとでかい家。
玄関のドアが開いて隠れた。
男の人とあの人が出てきた。
旦那か、オッサンだけど中々
いい男じゃん。

「じゃあ行ってくる。」

「気をつけてね。
帰りは明後日?」

「また連絡するよ。」

夫婦の会話だな。
見たくない。
旦那はこれまた高そうな車で、
でかけていった。
彼女はため息をついて、ドアを閉めた。寂しそうに。
それからしばらくして、またあの車が戻ってきた時、助手席にいたのがあの女!

「将吉!見たか?」

「うん、見た。」

「あの女、旦那の…」

「あの雰囲気は…女だろうな。」

彼女がこんなに近くで悲しんてる。
なぜ俺と別れたんだろう?
旦那に恋人がいるなら、俺と続けても良かったのに…。
寂しいなら、俺を利用して、埋めてくれたら良かったのに…。
それでも俺は構わなかったのに。

「将吉…大丈夫か?」

「帰ろうか愁平。」

愁平は、それから何も言わずにいてくれた。
別れる時に

「じゃあな。」

とだけ言った。サンキュな愁平。

「ただいま…。」

「将ちゃんおかえり。」

月姉は、何かを感じて、黙って食事を出してくれた。
ケンチ君は、読んでた本を閉じて

「お先にお風呂もらうよ。」

と言って、後ろを通る時、肩をぽんと叩いていった。

ゆきは勉強中みたいで、電気はついていたけど、出てこなかった。

風呂にも入って、俺の部屋にしてるケンチ君の書斎に入った。
泣きたいのに泣けない。胸が苦しい。
あの人は、あの大きな家でひとり。
オレは、みんなにいたわられて、きれいな部屋で寝てる。
メール…してみようか。

「将ちゃん、いい?」

「うん。」

月姉は、俺の逃げ場。
みんなが言うようにオレは甘えてる。

「はい、ホットミルク。
 一緒に飲も。」

「月姉、オレあの人見た。」

「うん。」

「旦那に女がいて、それがあの
ストーカーなの。
あの人、旦那が女のとこに行くの
わかってるみたいで、送り出した後、
ため息ついて。」

「辛いだろうね…。」

「月姉は、ケンチ君に浮気されたこと
ある?」

「うん、大学の頃はよくあった。」

「なんで別れなかった?
 ちゃんと怒った?
 他の人とって無かったの?」

「無いよ。
ほんとに好きだったから。
その人と同じ、何も言ってない。
将ちゃんも辛かったね。」

やっと涙が出た。

「なんでだよ…。
何なんだよ。
 月姉、頭撫でて。」

月姉の手が、余計に泣かせてくれた。

忘れかけの記憶→←啓司のひらめき



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (37 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
84人がお気に入り
設定タグ:EXILETHESECOND , 黒澤良平 , EXILE
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

黒木蓮(Kuroki・Len)(プロフ) - 「月ちゃん、暫くはウチにおいで」(by 絵美) (*´ー`*) (2018年12月2日 5時) (レス) id: 6a7a2c1ba4 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - つくちゃんの心の叫びを月姉に代弁して貰って少しでも楽になって欲しいです(*^-^*) 次回作では思い切って哲也シャンを一人占めしてみたりしてみたらヽ(´▽`*)ゝあ〜ぃ! (2018年12月2日 0時) (レス) id: 3dd427fe94 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - つくよみさん» つくちゃん(^O^)v いっぱい大変な思いしたんだね(>_<)ヽ 私何かでは考えられ無いぐらいの不安や悲しみがあったと思います(T-T) でもつくちゃんの小説で毎日私は楽しみを頂けてます(*^-^*) こうやってコメ欄で皆さんとわちゃわちゃするの大好きです(^O^)v  (2018年12月2日 0時) (レス) id: 3dd427fe94 (このIDを非表示/違反報告)
つくよみ(プロフ) - でもなんとか毎日耐えてるからこそ、いいこともあったり、新しい薬の開発を待ってる訳で、勇気を出して小説書いたからここのお仲間にも知り合えたわけで哲也さんも見れるわけでSECONDもメジャーデビューしてくれたわけで今はこうやってがんばれてるよ♪ (2018年12月2日 0時) (レス) id: 582338d1af (このIDを非表示/違反報告)
つくよみ(プロフ) - この感情は私が今の病気を言われたときの感覚に似てるの。今の医学では治らないけどこの病気で死ぬことはない。痛みに耐えて生きているしかない病気。なんだかお先真っ暗でした。月子さんにわからないよ!と叫んでもらうことでリアル月がストレス解消してるのかも(笑) (2018年12月2日 0時) (レス) id: 582338d1af (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:月詠 | 作成日時:2018年11月24日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。