検索窓
今日:9 hit、昨日:0 hit、合計:40,509 hit

優しさと苦しみと ページ32

「月、ちょっとおいで。」

健一くんの声って優しいな。
そばに行くと、膝の上抱えられた。

「あのね、月、これ見て。」

ヨーロッパ各地の教会のフラスコ画だ。

「フラスコ画?」

「うん、でね、この角度の、この時間の
日差しで見るのがベスポジって
写真集なんだ。」

「この階段の、何段目。
晴れの日何時に振り返るとかって
やつ?」

「そう、見に行かない?」

「いいね、そんな贅沢な旅。
 憧れだね。」

「どの絵が好き?決めといて。
 これ全部教会なんだ。
 式挙げよう。
 この景色見に行こうな。
だから元気だせ。」

いろんなことして元気にしようとしてくれる。
元気にならないと…だよね。

「うちは海外ウェディング、二人だけで
ね、約束。」

出された小指…。
すぐに自分の小指を絡めて、健一くんを見て笑いたい。

「月?約束してくれないの?」

そっと指を絡めた。

もっと強くならないと、健一くんの笑顔を守れない。
ひとりで持っていくこと。
この優しい笑顔を守ること。
いなくなるか…
心を強く持つか…
どっちか。

「明日、将吉早く来てくれないかな?」

「聞いてみるけど、どうしたの?」

「母さんも体調崩してるらしいんだ。
一度顔出せって親父がうるさいから、
明日寄ってくるよ。」

「お母様いつから…?」

「ちょうど、月と同じくらいから。
親父が言うには、月の方がかなりひど
いらしいけど。
頭痛も酷いからね。」

「お母様も…。
 お大事にしてあげてね。」

「将吉が無理なら、別の日でも構わない
から。」

次の日、将吉は早くから来てくれて、健一くんは実家に寄ることになった。
久しぶりだから、お泊りしたら?
って言ったけど

「帰ってくる。」

って言うから…。
それ以上は言わずにおいた。

帰らないかもしれないな。
というか帰れないかも。

「ねーちゃん?泣いてんの?
 どうした?」

「将ちゃん…。
 好きなだけなのにね。」

「何?なんだよ…。
あんまり泣いてると、頭痛ひどくなる
んだろ?
痛くなっちゃうよ。
ねーちゃんって。」

「将ちゃ〜ん。」

将ちゃんの服を掴んで泣いた。
頭痛くなるのわかってても、止めれなかった。
見てしまったんだもん。
私を押したのお母様…。
健一くんのお母様…。
殺したいほどイヤなのに
結婚なんてできないよ…。
 

背中のねーちゃん→←助教授のお仕事



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (37 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
84人がお気に入り
設定タグ:EXILETHESECOND , 黒澤良平 , EXILE
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

黒木蓮(Kuroki・Len)(プロフ) - 「月ちゃん、暫くはウチにおいで」(by 絵美) (*´ー`*) (2018年12月2日 5時) (レス) id: 6a7a2c1ba4 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - つくちゃんの心の叫びを月姉に代弁して貰って少しでも楽になって欲しいです(*^-^*) 次回作では思い切って哲也シャンを一人占めしてみたりしてみたらヽ(´▽`*)ゝあ〜ぃ! (2018年12月2日 0時) (レス) id: 3dd427fe94 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - つくよみさん» つくちゃん(^O^)v いっぱい大変な思いしたんだね(>_<)ヽ 私何かでは考えられ無いぐらいの不安や悲しみがあったと思います(T-T) でもつくちゃんの小説で毎日私は楽しみを頂けてます(*^-^*) こうやってコメ欄で皆さんとわちゃわちゃするの大好きです(^O^)v  (2018年12月2日 0時) (レス) id: 3dd427fe94 (このIDを非表示/違反報告)
つくよみ(プロフ) - でもなんとか毎日耐えてるからこそ、いいこともあったり、新しい薬の開発を待ってる訳で、勇気を出して小説書いたからここのお仲間にも知り合えたわけで哲也さんも見れるわけでSECONDもメジャーデビューしてくれたわけで今はこうやってがんばれてるよ♪ (2018年12月2日 0時) (レス) id: 582338d1af (このIDを非表示/違反報告)
つくよみ(プロフ) - この感情は私が今の病気を言われたときの感覚に似てるの。今の医学では治らないけどこの病気で死ぬことはない。痛みに耐えて生きているしかない病気。なんだかお先真っ暗でした。月子さんにわからないよ!と叫んでもらうことでリアル月がストレス解消してるのかも(笑) (2018年12月2日 0時) (レス) id: 582338d1af (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:月詠 | 作成日時:2018年11月24日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。