負けてもいいよ３

魔女の目にも涙？ ページ3

「山下健二郎言います。
　お手柔らかに頼んます。」
山下先生！期待してます！

「あんな？
　A先生が出てったあと
　リカさん寺辻さんと住んでた
　やんか？どっちから
　言い出したん？」
「言い出したって言うか、私が
　毎日行ってて、帰るの
　めんどくさくて、言うと
　健一郎怒るから、健一郎が
　寝てからそのまま泊まった
　のが最初。」
「それでなし崩しなん？
　押しかけなんとかか？」
「私家事全くで、そしたらある日
　私も健一郎もいない間に
　あの人が来て掃除も洗濯も
　していって、健一郎嬉しそう
　にしてるし、腹立ったから
　事務所に電話して来るなって
　言ってやった。」
「率直に聞くんやけど…
　男と女の関係やった？」
「言いたくない。」
「そんなら仕方ないわ。
　言わんでええよ。」
「ロフト上がったことある？」
「あるよ。ベッドルーム。」
「らしいね。そこで寝たことは？」
「ない。健一郎それだけは
　許さなかったから。」
「なら下のソファで？」
「そう、ベッドになるから。
　大人がふたり寝ても
　余裕だよ。」
「ふたり寝てもなぁ。
　ふうん。教えてくれて
　おおきにな。」
語るに落ちるだな、リカ。
これが山下先生の真骨頂た。
話させてつい言わせる。

寺辻さんはAを裏切った。
そレなのにAに救いを
求める…甘えすぎたろ。

「そやけど寺辻さんは
　今でもA先生に甘えてる
　どういう事なんやろ。
　夫婦ってそんなもんなん？」
「あのときは健一郎が
　自暴自棄になってて
　わたしがどうとかじゃ
　なくて誰でも良かったと
　思うよ。」
「りかさんそれでええの？
　今もあっちに連れてって
　もらえてないんやろ？
　さっきの良平せんせの
　言ってたようにもったい
　ないのと違う？
　他にも男はたくさんおるよ。
　あんたがちゃんと礼儀や
　常識、知識身につけたら
　ちゃんと見てくれる人は
　織ると思うよ。
　相手の立場になること
　相手の気持ちを考えること
　言葉がどんなに人を
　傷つけるか知って、ものの
　言い方を考えて
　そんなんしていったら
　いい女になれるよ、リカ
　さんならきっと。
　もったいないよ、そんな
　人を傷つけたり、恨んだり
　しで生きても楽しないよ。」
「…確かにそうかもね。
　健一郎は私なんて見てない。」
リカの目から涙が落ちた。
「でも遅いじゃん…Aさん
　許してくれないでしょ？」
「リカさんが本気になって
　謝れば通じると思うで。
　A先生は」

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