無神経な小悪魔 ページ38
「こんにちは。
先生、留守なんですね。
中で待たせてください。」
平気な顔で言って、ソファに座ったあの子。
今日もきれいなお洋服に身を包んでる。
爪はサロンに行ってますさながらのきれいな色。
あの日、健一の首に回した手も、きれいな爪をしてた。
「黒澤哲也です。
先生の奥さんの弟ね。」
「紅音って言います。
先生とは…恋人…かな。」
ちらっとこちらを見る目は挑戦的だ。
「恋人ねぇ。
ケンチ、趣味変えたんかな。」
少し離れてコーヒーを用意した。
哲也にはインスタントは厳禁だ。
豆を引いてドリップした。
コーヒーを出すと、
「コーヒー嫌いなの。
他のにしてくれる?」
と、カップの乗ったソーサーをこちらに押し返した。
「何なら飲めるの?」
そう言って、カップを手に取ろうとした私の手を、哲也が止めた。
「おい、ちょっと待てよ。
お前何様だ?」
「はぁ?」
「もし、お前とケンチが、お前の言うような関係だったとしても、こっちがお前に偉そうにされることは少しもないんだよ。
お前はあくまで二番目以降って事。
こっちは妻なんだからな、偉そうにするなよ。
嫌いなら飲むな。
飲みたきゃ買って来いよ。」
あーぁ、哲也を怒らせたら容赦ないのに…。
それでも紅音と名乗ったその子は一瞬怯えたような顔をしただけで、すぐにまた不機嫌な顔をした。
「じゃあ、いらない。」
そう言うと、足を組んだ。
「先生、お仕事ないでしょ?」
私を見て聞いた。
「あなたのお父様が何かしたんですよね?
岩田グループの、代表から聞きました。」
「岩田さんをご存知なの?」
「俺らの従兄弟なんでね。」
哲也が私を気にしながら話してる。
「へぇ。
だから岩田さんが庇ってたんだ。」
「こっちはそれも迷惑な話だけどな。
あいつとは関わりたくないんでね。」
「奥さんは、どうしても先生がいいの?」
何を聞いてるんだろう…。
「だから、結婚したの。
あなたにそんなこと言われたくないわ。」
「ほんとに愛されてると思ってる?
調べたけど、奥さんの病気って、すごくお金がかかるんでしょ?
負担だわ、きっと。
離婚する人も多いし、ひどくなれば寝たきりなんだよね?
なんでそんな病気になったの?」
なんて無神経な質問…。
こんな人が健一のこと好きだなんて…。
「おい、お前馬鹿か?
どこの大学だ?
もう一回幼稚園からやり直せよ。」
哲也が拳を握ってる。
そっと腕に捕まった。
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ユキ(プロフ) - 悪岩ちゃんポメラニアン今度はイギリスの支店長に何を考えてるのかなぴょん ̄(=∵=) ̄? (2020年10月4日 9時) (レス) id: 5f63e3cc55 (このIDを非表示/違反報告)
黒木蓮(Kuroki・Len)(プロフ) - そもそも、如月さんたちの話している岩田剛典が果たして本物の岩田くんなのかどうか?まさ誰か成りすまし?岩田くんにしては、あまりにもやり方が幼稚すぎて・・・。(*''*) (2020年10月4日 7時) (レス) id: 6a7a2c1ba4 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 愁、じろちゃん如月のデマに便乗ババァに負けんなよ! 啓兄の美味しいご飯に癒されて\(^o^)/ (2020年10月4日 1時) (レス) id: e2d17f76d5 (このIDを非表示/違反報告)
黒木蓮(Kuroki・Len)(プロフ) - あっ、キリタンポと鶏つくねと海老しんじょう?くらいなら、いっくん・みーくんも食べられるかも。今、思い付いた。離乳食を別途で作ろうかと思っていたけど、とりあえずミルクがあれば大丈夫かな。(*''*) (2020年10月4日 1時) (レス) id: 6a7a2c1ba4 (このIDを非表示/違反報告)
黒木蓮(Kuroki・Len)(プロフ) - 尚、飲酒する方は移動はタクスィーで。密かに、キリタンポも作っちゃお(はあと) (*''*) (2020年10月4日 1時) (レス) id: 6a7a2c1ba4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月詠 | 作成日時:2020年9月19日 3時