弟の後輩 ページ15
「月子さん、今度僕代診になるんですよ。
引継ぎはちゃんとしとくんで、なるべく気をつけて、酷くならないようにね。
若い先生だから。」
主治医の先生とは、長い付き合いだから、先生も気楽みたい。
「解りました。
若い先生を困らせないように、安静に過ごします。」
今日の付添は哲也だったから、中には入らなかった。
「どうだった?」
「うん、安静にって。」
「いつもそれだなぁ。
もっとなんか、新しい薬がとか、治療方針を変えましょうとかねーのかな?
ちゃんと研究やってんのかな?」
同じ研究者の発言なんだろうか、というようなことを言いながら、会計に連れて行ってくれる。
「ん、カルテ貸してみ?
診察券と、診察番号と…よし、俺受付してきてやるから、待ってて。」
今日も受付は大混雑。
最後尾の哲也は一体いつになるやら。
会計窓口は5つ。
フォーク並びの患者が分かれていく。
準備をしてと書いてあっても、受付で言われてから、保険証や診察カードをゴソゴソ探している人も多いから、みんなイライラしてる。
柱のところで、哲也が進んでいくのを見てる。
「大丈夫ですか?
気分が悪いですか?」
いきなり声をかけられて、脈をとられる。
男の先生で、知らない人。
まだ若いから、来たばかりかな?
「特には大丈夫です。」
「そうですか?
顔色がとても悪かったので。
付添の方はいますか?
良ければ、タクシーを…」
言ってくれてるうちに、哲也が戻ってきた。
「月子、どおした?」
その顔を見た先生が声を上げた。
「黒沢先輩!」
「おー、寺井じゃん。」
どうやら、大学繋がりの人みたい。
哲也がまだ助手で教授についていた頃、学生の頃、所属してたサークルに新しく入ってきたのがこの寺井先生らしかった。
「医者なったんだ、おめでとう、夢叶えたじゃん。」
「いや、まだまだ駆け出しで。
あの、先輩の奥さんですか?」
「うちのはもっとかわいいよ。
俺の姉なんだ。1つだけだけどな。」
確かに雪花ちゃんは可愛いけど、失礼な。
「そうなんですか、失礼しました。
脈は落ち着いてますけど、顔色悪いんで、声をかけさせてもらいました。
先輩、気をつけてあげてください。」
「ありがとうございました。」
「ありがとな。
気をつけるよ。」
その日はそれで別れて、かなり待たされたあと、お会計をして帰った。
更にそこから院外薬局、帰ればぐったりの大病院の常。
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ユキ(プロフ) - 悪岩ちゃんポメラニアン今度はイギリスの支店長に何を考えてるのかなぴょん ̄(=∵=) ̄? (2020年10月4日 9時) (レス) id: 5f63e3cc55 (このIDを非表示/違反報告)
黒木蓮(Kuroki・Len)(プロフ) - そもそも、如月さんたちの話している岩田剛典が果たして本物の岩田くんなのかどうか?まさ誰か成りすまし?岩田くんにしては、あまりにもやり方が幼稚すぎて・・・。(*''*) (2020年10月4日 7時) (レス) id: 6a7a2c1ba4 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 愁、じろちゃん如月のデマに便乗ババァに負けんなよ! 啓兄の美味しいご飯に癒されて\(^o^)/ (2020年10月4日 1時) (レス) id: e2d17f76d5 (このIDを非表示/違反報告)
黒木蓮(Kuroki・Len)(プロフ) - あっ、キリタンポと鶏つくねと海老しんじょう?くらいなら、いっくん・みーくんも食べられるかも。今、思い付いた。離乳食を別途で作ろうかと思っていたけど、とりあえずミルクがあれば大丈夫かな。(*''*) (2020年10月4日 1時) (レス) id: 6a7a2c1ba4 (このIDを非表示/違反報告)
黒木蓮(Kuroki・Len)(プロフ) - 尚、飲酒する方は移動はタクスィーで。密かに、キリタンポも作っちゃお(はあと) (*''*) (2020年10月4日 1時) (レス) id: 6a7a2c1ba4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月詠 | 作成日時:2020年9月19日 3時