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波乱の一時間目が終わった。
「疲れたねー、梨々花、菜津」
瑠衣もちょっと疲れているような……。
まあ、さっきの三上先生のセリフの後、必死に時間内にとき終えようと、ハイスピードで問題を解いたのだから、当たり前か……。
みんなはもう、二時間目のテストの勉強をして……いない。
「あれ?二時間目って何だっけ?」
私が言うと、エアリナが笑って
「次は美術だったはずよ。だから技能点なのよね……」
技能教科……よし、行けるぞ梨々花!
と気合を入れていた私に、エアリナが
「あのさ、梨々花、美術ってどうしたら点数が取れるかな?」
と聞いてくる。
「だから、ここはもうちょっと線を太くすると、ここは残すんだなあ、ってわかるでしょう?」
「あー、成程」
授業の休み時間。テスト勉強を始めた私たち。
今、私の机の周りには、エアリナ、菜津、瑠衣、真弓がいる。
「そう言えば、梨々花は技能教科得意なんだね。あたしは無理だわ」
真弓が感心しているような声で言う。
でも正直、私は運動が苦手……とまでは行かないけれど、ちょっと嫌いだし。
それで覚えやすかったのが、たまたま技能教科だったんだよなあ……。
「はーい、じゃあテストやるよー!」
美術の先生が入って……来ない。また三上先生。
「何で三上先生なんですか!」
今年は、全教科は担任なんだってさ、と三上先生は言う。
「時間短めだからなー、お前ら頑張れよ」
と言いながら説明用の図を黒板に書いていく三上先生。
正直に感想を言おう。下手だな!
「三上先生、よくわかりません……」
「俺の画力に期待するな!」
そして、そんなグダグダした空気の中、テストは始まった。
「やっと全教科終わったね!」
菜津が、これまでにないくらいうれしそうな顔をして言う。
「もー、菜津、今回こそ梨々花の点数超えるって言ってたけど、そこんとこどうなのよ?」
瑠衣がちょっとからかうように言う。
菜津は急に焦りだす。いや、私もそんなに点数高いわけじゃないから。
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桜雪☆(プロフ) - 奈月さん» コメントありがとうございます! (2018年6月10日 17時) (レス) id: 7ff7ae767b (このIDを非表示/違反報告)
奈月(プロフ) - エアリナの考えってすごい。素直にそう思いました。続きが楽しみです(*^^*) (2018年6月9日 14時) (レス) id: b8b2585ba0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜雪☆ | 作成日時:2017年11月5日 9時