朝 ページ1
最低で、最悪な一日が始まる。
今日は、私が嫌いな、期末テストの日だ。
「梨々花ー、大丈夫、テスト？」
菜津が声をかけて来る。一見余裕そうな菜津だけど、よく見ると目の下にクマが出来ている。
「菜津こそ大丈夫なの？クマ出来てるよ？」
「いや、だって……」
「みんな、おはよう！」
菜津の声を消してしまうほど大きな声であいさつしながら、教室に入ってくる女の子……。
エアリナだ。
「エアリナ、おはよう！」
みんな、エアリナのところに走っていく。
ちなみに、私の成績は平凡。菜津は運動が大の得意、エアリナはバランスよくできる……けれど、エアリナは確か、技能教科が苦手だったはずだ。
「エアリナは、いつもみんなの中心にいるよね、ある意味凄いと思う」
私は、菜津がそう言う風に感心しているのを見ていた。
エアリナは、男女問わず人気が高い。
どんな人にも分け隔てなく接する、性格の良さが外見に滲み出ているからだと思う。
「おはよ、梨々花、菜津。今日もエアリナってかわいいよね」
エアリナより少し遅れて教室に入ってきた瑠衣が、エアリナを眩しそうに見つめる。
名前で気が付いた人もいるだろうけど、エアリナは純血の日本人じゃない。
どこのの国の血が流れているのか、みんな興味があるんだけど……。
「エアリナ、いつも教えてくれないのよね」
瑠衣が言う。前に瑠衣は、一週間連続で聞いてみたらしい。
よく、そんな毎日言われて、エアリナは断らなかったな、と思うくらいだ。
「おう、エアリナ、おはよう！」
「おはよう、勇斗！」
勇斗はエアリナと小学校から一緒だって言ってたなあ……。
「エアリナ、勇斗君のこと好きなのかな？」
菜津が何でもないよって顔をして言う。
「菜津、勇斗君のこと好きなの？」
瑠衣と私の問いかけに、菜津はいつもと同じように首を横に振り、
「いや、仲がいいって言っても男子じゃん？」
つまり、ずっと一緒にいるなら、恋愛感情の一つくらいは抱くのではないか、と？
「あー、確かに気になるよね。だって私達、小さいころからずっと仲が良かった男子いないし」
そう、私、菜津、瑠衣は三人とも保育園の頃から一緒。
エアリナとは、小学校の低学年の頃に知り合ったんだよな。
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桜雪☆(プロフ) - 奈月さん» コメントありがとうございます！ (2018年6月10日 17時) (
レス) id: 7ff7ae767b (このIDを非表示/違反報告)
奈月(プロフ) - エアリナの考えってすごい。素直にそう思いました。続きが楽しみです(*^^*) (2018年6月9日 14時) (レス) id: b8b2585ba0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜雪☆ | 作成日時：2017年11月5日 9時
