廃刀令の中、刀を２本差している奴は元新選組~最終章

第５１話　二段構え ページ7

ここで打つとしたなら、奥義だろう


天翔龍閃


だが志々雄にこれは筒抜けになってしまっているはずだ


左足で踏み込み、死の紙一重で打つ抜刀術


志々雄「久々に愉しい闘いだったぜ、こんなに愉しいのは幕末以来だが
この先国盗りが控えているんでな、これ以上遊んでやる時間はねぇ…」


緋村「…愉しくはないがお主の力量には正直感服した、だが志々雄
時間を言うのならもう、お主や拙者のような「人斬り」の時間はとうの昔に
終わっているんだ…」


人斬りが必要とされているのは、今も同じだろう…
違いなどない、明治政府は自分のいいように、抜刀斎考えてみろ
志々雄暗殺を依頼されたのは「人斬り抜刀斎」だ


志々雄「終わりはしねぇさ、俺が無限刃を手にしている限り！」ｶﾁｬｯ


緋村「終わっているんだ、拙者がこの逆刃刀を手にした時に…」ｽｯ








「…勝負」

両者目に映らない速さで相手に向かう


しかし、それを止めてしまう志々雄
それを見て目を開く俺以外の奴


志々雄「シャアァアッ！！！」

剣を捌き一気に炎をやどす


志々雄…奥義がそんなわけないくらいはお前もわかっているのではないか





奥義、天翔龍閃は超神速の抜刀術

そして


飛天御剣流の抜刀術は全て隙を生じる二段構え


志々雄「ｶﾞﾊｧｯ」



志々雄は高く宙に舞い、地面に強く叩きつけられた


相楽「決まった天翔龍閃…」

緋村「ﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧ…」

肩で息をしている抜刀斎にこれ以上の戦闘を望むことはできない


これで、これで決まっていなければこの俺が一発で殺してやる

志々雄「が……ゴ…


ｶﾞｸｶﾞｸと体を震わせている志々雄、奥義が大変効いているのだろう


グが、グッグゴオォォ！！！

ギャアァアアウ！！！」


嘔吐をし、胸をむしるようにかき叫ぶ






その時…




由美「止めて！！これ以上はもう無理よ！！」









愛する人…それは相手を守るもの
自分の事は後回しにし、相手をとにかく傷をつけないもの









駒形由美……お前は美しい

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