廃刀令の中、刀を２本差している奴は元新選組~最終章

第５８話　ここにいる意味 ページ14

俺の部屋は物静かな雰囲気だ

誰にも邪魔されず、考え事をするのにはあっている





ﾊｧ…「俺も一緒に東京へ帰らないか」

…俺が東京に帰って何かあるというのか？ここにまだいた方が気分がいい


彼奴らも俺がいない方が、落ち着いていいだろう


それに、俺が京都に来た理由はなんだ

「志々雄を倒す、人斬り抜刀斎を見たかったから」だったはずだ


それが今や「抜刀斎はもはや抜刀斎ではない」と俺の中でそう理解し
ここにいることが当たり前になっていた



しかし、それを認めたくなく、認めれなく逃げて逃げた


俺の調子が狂うことも多くあった



貴方「…もういいや」



一緒に帰ろうなんて、随分たいそうな話じゃねぇか


俺は、ここにいる
京都で普通に笑えるのなら笑って、当たり前のように過ごそうか…


抜刀斎に「変えられた」となってしまうかも知らねぇが違う


いろんな人の生き方があり、それは俺の考え方に影響しやがった









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貴方「抜刀斎、俺はここに残るぜ」


緋村「なぜでござる？薫殿が声をかけたはずだが…」


あぁ…そうだったのか
抜刀斎があの女にそう言えと伝えたのか


貴方「俺が東京に行ったって得があるというのか？
結局俺はお前たちのような存在になれねぇんだよ」


瀬田に言われたことが頭によぎる


「抜刀斎は今も過去も見ている、しかし俺は過去しか見ていない」



緋村「…黒羽、拙者達はお前のことを嫌っているわけではない
それだけ覚えてくださらぬか？」


貴方「知らねぇよ、そんなこと」


俺は、抜刀斎が東京に帰る前に葵屋を出た

向かう先などないが、あてを探すために


しかし、１週間の野宿は覚悟しなければいけない

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