転生したら妖狐の意地悪な花嫁でした。弐

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鬼の花嫁を愛読していた私にも、まだ分からない事がある。
何ならこの物語の作中でも、キャラ…あやかし自身が分からないと口にしている点がある。


男のあやかしが、女の人間を花嫁に選ぶという様に

女のあやかしが、男の人間を選ぶというケースが、ない…という訳ではない。


けど、女のあやかしの方が考え方がシビアで、容姿や性格なんかよりも、如何に強い霊力…そして資産を持っているかで決める。
加えて、より強い子孫を残せる種を持つ男かどうかも見なければならない為…まぁ、男の人間は眼中にない訳だ。


つまり、ツツジちゃんのお父様は……一体何者!?
小説でも漫画でも、女あやかしに選ばれた男の人間の姿なんか1ミクロも描かれなかったのに……気になるんですけど！



というか、鬼の花嫁の世界に転生した私だけど、何だか作者様達が描いている範囲を超えてとんでもない所まで足を踏み入れかけた気分ね…




そんな訳で、今日の所はおやすみする事にしてツツジちゃんは部屋を出て行ったのだけど…




しかし……バイト禁止かぁ……狐月家で働くのもダメなのかぁ……




そう言えば、物語でもあったよな〜…

基本人間の花嫁は大事に囲うべき存在。
どんな事情があろうと、例えあやかしの住む敷地内だとしても、働かせるのは有り得ない。
むしろ「大事な花嫁を養う財力がない家だ」と他の家から馬鹿にされてもおかしくない。


しかし、その花嫁の両親がとんでもない守銭奴だった場合、その責任は娘の花嫁にも取らせるべきなんじゃ!?とは言えど、そんな事を言えば「それを補うのもその家の役割だろう」と更に笑われても可笑しくない…かも。




「けどねぇ……一回この家…というか瑶太と私は馬鹿にされても良いと思うけど。鬼龍院家を怒らせたし……ましてや私は……」




―――ズキッ、と腕に鈍い痛みが走る。




「……」




そう言えば、これ玲夜の鬼火による火傷だったな。
勿論私が瑶太を抑えようとしたタイミングで、玲夜が瑶太に霊力をぶつけたのだ。
そもそも霊力を纏わりつかせているあやかしに飛びつくって。生身で無力な人間が何してんだ。私ったら自業自得だよもう。


なるほど。通りでここにお邪魔した時、妖狐の使用人達が少し怯えて私を見た後、嘲笑う訳だ。


鬼が愚かな娘を制裁してくれた。
スカッとしたわ。
ざまぁみろ。
罰当たりめ、等々…



とりあえず、瑶太の花嫁である以上はかくりよ学園に通わなければならないけど…こりゃ暫くは目立つわな〜…

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