転生したら妖狐の意地悪な花嫁でした。弐

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「忠誠を誓う玲夜様の孤独を埋める高道様、高道様の玲夜様を純粋に慕うそのお心……近年殿方同士でも関係ないとされる恋情ですが、それでもまだ禁断のレッテルは貼られています。

でも…禁断だからこそ、私達はお2人の純情と愛情を守らなければ―――」


「わ、分かりました！桜子様の想いと鬼龍院さんと荒鬼さんへの気持ちも伝わりましたから！」





「…あぁ…桜子様はなんて麗しい…本当、あの方こそ玲夜様に相応しいのに」

「仕方ないわよ。花嫁には敵わないわ」

「あの子も可愛いわね。一応人間でしょ？」

「確か、妖狐の花嫁ですって」

「道理で」

「…しかし、何故ガールズトークをしている2人に…話に花を咲かせているはずなのに」

「花というか、薔薇が咲いている理由を知りたいですな」





わぁぁスタッフさん、なんか訝し気な目でこっちを見てるー！
話に薔薇が咲いてるとかなんとか言ってる女性スタッフ、大正解です！





「そ、そそ、その！どうして荒鬼さんが、私なんかを高く評価しましたか!?むしろその日…色々あって、私はその…所謂敵側ポジションでして…！」

「！…もしかして先程話した“あの日”の出来事ですか？」

「はい…荒鬼さん、秘書だけじゃなくて弁護士資格も持っておられて……まぁ、言うまでもなく…その時の荒鬼さんは、鬼龍院さんと姉さんと祖父母を全面的にサポート…味方という訳です」

「流石、高道様ですわ」




「……そんな正義の味方である荒鬼さんが、何故？」

「何故…とまでは深くは聞けませんでしたが、高道様は…柚子様が玲夜様の花嫁に選ばれたのがどうにも許せないと申しておりました。毎日の様に副社長であられるお兄様に愚痴る程です。加えて、お兄様にこう仰っておりましたわ」





―――私は許せないだけです。あの様な普通の凡人が、至高の存在たる玲夜様の伴侶になるなど。しかも……しかも、あろうことか玲夜様とべったりで、満面の笑顔まで向けられてっ。私にはあんな笑みを向けられたことないというのに





「…なんだか、ただの嫉妬にしか聞こえない様な」

「当然ですわ。恋人を花嫁という本能だけの者に取られてしまわれたのですから」




遠回しにお姉ちゃんを批判する桜子様…それは許せないなぁ…




「そして最後には…」




―――まだあの凡人の妹の方がマシだ。肝が座って自信に満ち溢れ、玲夜様の霊力を喰らったにも関わらず「綺麗だ」と言ってのける。あんなに強かな娘は初めてだ。





「……あ？」

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