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姉さん…

完全に戸籍上は“他人”となった私とお姉ちゃん

しかもその原因を作ったのは、私

妖狐の花嫁に選ばれてから、己の行いを振り返り…踏み止まる機会はいくらでもあった。

それをせずに好き勝手に、自由に、愛されていないと見下す姉を虐めたのは花梨



……そんな花梨に成り代わった、私



花梨の罪を償う必要は、多分私にはない。
私がやった訳じゃないし…と、なるんだろう。



だけど、ダメだ




この体が覚えているのだ。
花梨だった頃の…醜い…?我儘…?

なんとも言えないけれど、花梨の“悲しい”“寂しい”“冷たい”感情が…

それらが全て、前世の記憶を取り戻した私に対して“罪悪感”となって、押し寄せてくるのだ。





和紅茶を一口飲む。

…柚子は今まで口にしなかった。花梨自身が、姉を避けて嫌っていたから。
柚子には、身体を芯から温める作用がある。
それに爽やかで…他の柑橘類とはまた違うとても良い香りだ。


そんなお姉ちゃんに、こんな良い名前を付けたのが、あの猛毒両親なのか…
それとも優しく温かい祖父母なのか…





「…では、そろそろ落ち着いた頃でしょうし…食べながらでもよろしいので、本題に移っても?」

「あ…はい」




ある意味では、結構前から落ち着いているんだよなぁ。




「花梨様は“あやかしの花嫁”をどの様にお考えでしょうか?」


「へ…」




まさかの質問に、私は絶句してしまった。
女性の鬼のあやかしに、その様な質問をされるとは…




「……昔の、私だったら、こう答えていました」

「昔の?」

「はい。昔の花梨()なら、間髪入れず「必ず幸せになれる」「皆が愛してくれる」「特別な存在」と答えていたと思います」

「……」


「しかし残念ながら…必ず幸せになれるとは限らないと、考える様になりました」

「!」


「あやかしの伴侶がどんなに花嫁を愛してくれても、それはあくまでもあやかしの“本能”です。
本当にそれが愛なのか…私の為にしてはやり過ぎな部分が見えて…それを今まで止めなかった私も、本当に彼を愛しているのか、分からないのです」



瑶太の残忍な一面でさえも、花梨は「私を愛してくれている証拠」と疑わなかった。



「それに…実は狐月家の一部の使用人からは煙たがられてます。こんな我儘で高飛車な性格なので」

「……」

「特別な存在…子孫繁栄という点では重宝されるべき存在だけど、でも…それだけです。家族や友人の前では平等でならなくちゃいけないから」

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シャリファ(プロフ) - はい瑶太がなんかやらかすフラグ‥もう原作もしも花梨が改心してもあんま意味なかったかもですね (2月13日 8時) (レス) @page33 id: 8b3e245298 (このIDを非表示/違反報告)
真理 - 氷柱さん» もちろん、わかっています。後のお楽しみっていうのがありますし。 (2月13日 7時) (レス) id: e1f8464f5a (このIDを非表示/違反報告)
氷柱(プロフ) - 真理さん» 一先ず両親が原作通り地獄に堕ちるのは確定です。瑶太と菖蒲と後何人かにはどんどん破滅・地獄フラグを建たせていく予定です。それが各々フラグが折れるor破滅ENDを迎えるかまではまだ言えませんすみません。 (2月13日 2時) (レス) id: 454fdc4e71 (このIDを非表示/違反報告)
真理 - 氷柱さん» まぁ、そうですね・・・。改心してくれればそれでいいです。瑶太は両親と共に地獄に堕ちて欲しいですけど。 (2月12日 23時) (レス) id: 211f054fc3 (このIDを非表示/違反報告)
氷柱(プロフ) - 真理さん» ご丁寧にありがとうございます。茉莉に関してはこの後重大な鍵を握るキャラではあります。確かに茉莉は頼もしい設定ではあります…が、今言えるのはそれだけです。尚、花梨の友達・菖蒲に関しては瑶太と共に痛い目に合う予定です。友達想いの妖狐女子だとは思いますが。 (2月12日 21時) (レス) @page31 id: 063141ba5c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:氷柱 | 作成日時:2023年12月7日 14時

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