・ ページ35
「うふふ、そんな警戒なさらないで下さいな」
口元を手に当てて笑うその美しい姿…な、なんて綺麗なの…！
それを普通にこなす辺り、本当に生まれも育ちも異次元…！
一般庶民ではまず身に付かないスキルね…！
「確かに…柚子様の生い立ち、玲夜様が柚子様を花嫁に選んだ件、柚子様が実の祖父母と養子縁組を結んだ話等、お聞きしました」
そ、そこまで聞いたの…？
「そして…柚子様の実の両親、あの狐月家のご子息が…長年に渡り柚子様にして来た事も」
「！」
…本当に、耳が痛くなる。
でも、私が痛む理由なんかないのだ。
後悔しかない。
償いも思い浮かばない。
それほど、長年に渡って私は家族と共にお姉ちゃんを傷付けたのだから。
あぁ……本当に、私は…愚かで、馬鹿で、誰かを踏み台にしてでも上り詰め、それを何とも思わなくて……なんて、最低で、最悪で……
―ズキッ…
「っ！」
「花梨様!?…あぁ、やはり腕が…」
「…ダメです、桜子様」
「でも」
「……お願いですから、このままでお願いします。今までも全く痛くなかったんです。本当に、どうしようもなくなった時に助けを呼ぶので」
私は無理矢理にでも笑みを見せる。
花梨は社交的な人間で、甘え上手。
創り笑みが本当に上手いのだ。
元々色んな面で良く笑うキャラだったというのもあるけど…
「……花梨様。花梨様だけは、実は他にも色々と聞いておられますの。勿論、良い意味で」
「…い、良い意味…？」
「はい。でもまぁ、後は……」
キッ、と車が停まる。
いつの間にかどこかの駐車場に着いた様だ。
っていうか……地下の駐車場？
えっ？お茶するってだけで、地下…？
「ここ、とっても美味しい紅茶に珈琲、それにラテやスムージーも豊富ですの。お菓子や軽食も沢山ありますから、ゆっくりしましょう？」
「えっ、えっ…？」
地下に駐車場って、立地が高いというか…高級マンションとかホテルにありそうな印象が強いのだけれど…
そんなこんなで、エレベーターに乗り…最上階で降り…少し歩いた先には……
「お待ちしておりました、鬼山様」
ビュッフェ形式のカフェ＆バーだった…！
広い広い空間、どこか厳かな雰囲気、白やベージュを基調とした壁
そしてスイーツや軽食は、1品1品がどれも高級そうというか…季節に合わせたもので溢れているというか…貴族の嗜みレベルというか…！
「……凄い…！」
「(元気になられたかしら？)」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 11人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シャリファ(プロフ) - はい瑶太がなんかやらかすフラグ‥もう原作もしも花梨が改心してもあんま意味なかったかもですね (2月13日 8時) (
レス) @page33 id: 8b3e245298 (このIDを非表示/違反報告)
真理 - 氷柱さん» もちろん、わかっています。後のお楽しみっていうのがありますし。 (2月13日 7時) (レス) id: e1f8464f5a (このIDを非表示/違反報告)
氷柱(プロフ) - 真理さん» 一先ず両親が原作通り地獄に堕ちるのは確定です。瑶太と菖蒲と後何人かにはどんどん破滅・地獄フラグを建たせていく予定です。それが各々フラグが折れるor破滅ENDを迎えるかまではまだ言えませんすみません。 (2月13日 2時) (レス) id: 454fdc4e71 (このIDを非表示/違反報告)
真理 - 氷柱さん» まぁ、そうですね・・・。改心してくれればそれでいいです。瑶太は両親と共に地獄に堕ちて欲しいですけど。 (2月12日 23時) (レス) id: 211f054fc3 (このIDを非表示/違反報告)
氷柱(プロフ) - 真理さん» ご丁寧にありがとうございます。茉莉に関してはこの後重大な鍵を握るキャラではあります。確かに茉莉は頼もしい設定ではあります…が、今言えるのはそれだけです。尚、花梨の友達・菖蒲に関しては瑶太と共に痛い目に合う予定です。友達想いの妖狐女子だとは思いますが。 (2月12日 21時) (レス) @page31 id: 063141ba5c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：氷柱 | 作成日時：2023年12月7日 14時
