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「それよりも花梨…あの女に叩かれた頬はもう大丈夫なのか?痕が残ったら大変だ」
「痕なんか残らないわよ…それよりも、お姉ちゃんを捜さないとじゃない?」
「どうしてそんなに姉を気に掛けるんだ?」
「だって……」
「前のお前は、そうじゃなかっただろう?酷く姉を毛嫌いしたはずだ」
あ…
「最も、姉は俺から見ても魅力のない地味な女だ。花梨の姉という事実だけでも汚らわしいというのに……」
「…や、やめてよ。もう、何も言わないで」
「花梨…?」
「私、私は…!お姉ちゃんに、あんな……!」
これまでにあんな事を……!
「花梨は、優しいな。あんな事されても気に掛けるなんて」
もう、聞きたくない…!
「今日はこのままこの家に留まる。お前が心配だからな。本当なら、俺の花嫁であるお前の傍にいてやりたいのだが…落ち着いたら、リビングに降りてくると言い。待ってるから」
…足音が聞こえ、やがてそれが遠退き……聞こえなくなる。
私はふかふかの布団に顔を覆い……
「……何が……俺の花嫁よーーー!」
叫んだ。
幸いこの家は無駄に広いから、どんなに叫んでも少なくともリビングには届かないだろう。
「そもそもお姉ちゃんの家出を強制的に後押ししたのは!女性の身体に一生消えない傷を広い範囲で残したアンタのせいでしょうが、この暴力狐がーーーー!」
人のせい…いや、妖狐のせいだけじゃないんだけど!
だけど、普通女性に怪我を負わせる!?というか姉妹間の問題に、たかがその妹が自分の花嫁というだけで割り込む!?
第一、男が女に消えない傷を負わせるって、最低最悪な女の敵以外なんでもないわ!
相手が妖狐だろうと何だろうと、もう瑶太の奴、世界中の女性を敵に回したも同然!
まぁ、だけど……
「う〜ん……そもそも、私がお姉ちゃんを孤独に追いやったのが事の発端なのよねぇ……それに、基本あやかしは花嫁以外には何の興味も沸かない……感情があったとしても友人としてだし、何が何でも花嫁優先な訳だし……」
だから、妖狐のあやかしである瑶太のあの恐ろしい所業も、過剰ではあるにしろ、非が花嫁にあるにして、花嫁を傷付けたという時点で許し難き蛮行なのだ。
「本当、前世はそんなあやかしとか…むしろ幽霊とか超能力とかの類は、漫画やアニメの話だったのになぁ……」
現世は、まさかのあやかしの人間が共存する世界に転生、しかも悪女とか最悪にも程があるよ…
ん…?
転生…?
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氷柱(プロフ) - 真理さん» 姉妹の両親に関しては、原作でもスカッとしましたが、あれ以上に色々とやりまくる予定です。もう本当許せませんもん。しかし瑶太に関しては賛否両論覚悟ですが、救済措置を与えようか考えています。まぁこの後ドキツイお仕置きを受けて痛い思いをさせるのは確定ですが。 (12月6日 23時) (レス) id: 454fdc4e71 (このIDを非表示/違反報告)
真理 - 氷柱さん» スカッととクズ共(両親と瑶太)地獄落ちの末路、期待していますよ(ニヤリ) (12月6日 21時) (レス) id: e1f8464f5a (このIDを非表示/違反報告)
氷柱(プロフ) - 真理さん» コメント有難うございます。原作でも、家族の縁を切ったにも関わらず柚子に迫りましたからね…ある意味どんな幽霊や妖怪よりも恐ろしい人間です。 (12月5日 22時) (レス) id: 454fdc4e71 (このIDを非表示/違反報告)
氷柱(プロフ) - シャリファさん» 勿論瑶太は色々とやらかしてますが、更に原作と違って、玲夜の花嫁だと知った上で柚子を害そうとしましたから、それはもう恐ろしいなんてものじゃないですね… (12月5日 22時) (レス) id: 454fdc4e71 (このIDを非表示/違反報告)
真理 - こんな奴らと、早く縁を切ってほしいね。 (12月5日 20時) (レス) id: e1f8464f5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氷柱 | 作成日時:2023年7月30日 0時