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確か原作では、瑶太が目覚めた後、花梨や両親が鬼龍院について問いただす場面があるのよね。
妖狐は、鬼龍院には敵わない。
どんなに妖狐が強いあやかしでも、その更に上が鬼なのだから。
瑶太はそんな人の花嫁を害した…そんな彼を惑わすのは、やはり花梨と両親だ。
瑶太も優柔不断で花梨に対してNoが言えない性格なのも問題だけど…
両親は、散々花梨を溺愛していた癖に、急に更にランクの高い…どころかあやかしトップの鬼龍院家の花嫁に選ばれた柚子を気に掛ける様になり
甘ったれで傲慢で、姉を見下していた花梨は、そんな両親を見て嫉妬し
急に自分よりも上の地位に君臨した柚子が許せなくなり
そして…花梨は瑶太に口付けし、柚子と鬼龍院を何としても引き離す様に命令する。
それはもう悲しそうに、瑶太を魅了させる声で。
瑶太は、相手があやかしのトップだと知りつつも
花梨の願いを叶う為に、何でもすると決意したのだ。
そうしないと花梨を悲しませると…その元凶を作った鬼龍院玲夜に、筋違いも甚だしく「花梨を悲しませる男は許さない」と胸に誓って…
けど、私はもうお姉ちゃんの邪魔をする理由はない。
それに…何とかして家から出ないとだしな。
とはいえ、瑶太がこんな状態だと…少し、心配だな…
意外と小心者というか、意思が弱い面があるというか…
少しだけ様子見てから相談するか、今後の事を。
「ねぇ、花梨」
「ん?」
「花嫁、本当に辞退するの?瑶太は花梨を幸せにしてくれたのに」
「…私は辞退したいけど、冷静に考えると厳しいかもね」
「そっか…あんまり、思い詰めないでね?」
「…?うん」
思い詰めてる…のかな。
確かに、こんなのに転生してから、自棄になってた部分はあるけど。
幸せ、ね…
お姉ちゃんは最後、呆然と立ち尽くす両親にお別れの挨拶を済ませると、玲夜と高道、そして祖父母と共にこの家から去る。
さて、と…
リビングに戻ると、両親と共に私は瑶太の様子を見守る。
服は焼け焦げているけど…新しい洋服、父親のから借りるしかないかな…
なんて呑気に考えていると、瑶太の身体がピクリと動いた。
「……うっ…く……」
「あ…!瑶太…大丈夫?」
「……花梨?」
「っ!」
私の顔を認識すると、瑶太は私の頬を撫でる。
…こんなシーン、なかった気するけど…いや、どうでも良いか。
「花嫁……」
「え?」
「花梨の姉が、まさかあの方の花嫁だなんて」
「…うん。私も驚いてるよ」
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氷柱(プロフ) - 真理さん» 姉妹の両親に関しては、原作でもスカッとしましたが、あれ以上に色々とやりまくる予定です。もう本当許せませんもん。しかし瑶太に関しては賛否両論覚悟ですが、救済措置を与えようか考えています。まぁこの後ドキツイお仕置きを受けて痛い思いをさせるのは確定ですが。 (12月6日 23時) (レス) id: 454fdc4e71 (このIDを非表示/違反報告)
真理 - 氷柱さん» スカッととクズ共(両親と瑶太)地獄落ちの末路、期待していますよ(ニヤリ) (12月6日 21時) (レス) id: e1f8464f5a (このIDを非表示/違反報告)
氷柱(プロフ) - 真理さん» コメント有難うございます。原作でも、家族の縁を切ったにも関わらず柚子に迫りましたからね…ある意味どんな幽霊や妖怪よりも恐ろしい人間です。 (12月5日 22時) (レス) id: 454fdc4e71 (このIDを非表示/違反報告)
氷柱(プロフ) - シャリファさん» 勿論瑶太は色々とやらかしてますが、更に原作と違って、玲夜の花嫁だと知った上で柚子を害そうとしましたから、それはもう恐ろしいなんてものじゃないですね… (12月5日 22時) (レス) id: 454fdc4e71 (このIDを非表示/違反報告)
真理 - こんな奴らと、早く縁を切ってほしいね。 (12月5日 20時) (レス) id: e1f8464f5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氷柱 | 作成日時:2023年7月30日 0時