検索窓
今日:38 hit、昨日:35 hit、合計:6,852 hit

ページ43

青い炎に包まれた瑶太は
ゴロゴロと苦しそうに痛そうにのたうち回る。


瑶太のとはまるで違う。
これが…鬼火…?



「っ……!」



前世を思い出す。
私も、飲酒運転に巻き込まれ、その時に炎上した炎に包まれて…



「……瑶太が、死んじゃう…」



あの日の出来事を思い出して、震えが止まらない。



少しして、その青い炎は消える。
…あやかしだから、すぐに身体は再生されるはず。




「玲夜様。こちらは終わりました。後はそれだけです」


いつの間にか高道は、お祖父ちゃんに書類を渡してサインを貰っていた様だ。
…大事なのは、お姉ちゃんだからね。何としてでもこんな家とお別れしないとだし。

ちなみにそれ…とは、父親のサインの事だろう。
父親は玲夜に睨まれ、更に胸倉を掴まれ、ビクッと震える。


「俺を本気で怒らせる前にサインした方が身のためだぞ」
「こちらにサインを」


鬼の一族2人に脅迫されて、逆らえる愚か者はどこにもいない。
言う通りにしなければ、これ以上お姉ちゃんに酷い事をし続けるなら…瑶太の様になるのだから。

父親は大人しくサインをする。


そしてサインした書類を、高道は不備がないか確認をする。
流石敏腕弁護士…



「ふむ…問題ないようです」



これで…終わったみたいね。

玲夜はお姉ちゃんに優しい笑みを浮かべる。



「柚子」

「は、はい」

「もうこの家には戻らない。必要最低限の物だけ持ってくるんだ」
「行きましょう、柚子」


そしてお姉ちゃんは、お祖母ちゃんと共に部屋へ向かった。



「……」



瑶太を見る。

気を失っているけど、不規則ではあるが呼吸をしている。
肌も元通りになりつつあるし……

あやかしって、改めて凄いんだな……



「柚子様の…“元”妹様」

「…!?」



えっ…



「荒鬼さん…は、はい」



何故、高道が私に…まぁ汚物を見る様な目だけど。



「その腕はいかがなさいますか?」

「腕?」



あぁ、そう言えば私、うっかり突っ込んだのよね…鬼火に。
たまたまタイミングが悪かっただけだし…

…前世で受けた事故の痛みより、全然マシだな。



「そ、そうよ…!花梨、あの男に怪我を!」
「そうだ!コイツこそ花梨を傷害罪で訴えるべきだ!」

「お前達…!」

「…黙れ、誰に向けて指を―――」
「……うるさい!!」



両親の見当違いにも程がある抗議
それを咎めるお祖父ちゃん


高道が恐ろしい声を出してたけど、そんなのがどうでも良くなる程、私は感情が抑えきれなかった。

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (5 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
10人がお気に入り
設定タグ:鬼の花嫁 , 転生 , 悪女
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

氷柱(プロフ) - 真理さん» 姉妹の両親に関しては、原作でもスカッとしましたが、あれ以上に色々とやりまくる予定です。もう本当許せませんもん。しかし瑶太に関しては賛否両論覚悟ですが、救済措置を与えようか考えています。まぁこの後ドキツイお仕置きを受けて痛い思いをさせるのは確定ですが。 (12月6日 23時) (レス) id: 454fdc4e71 (このIDを非表示/違反報告)
真理 - 氷柱さん» スカッととクズ共(両親と瑶太)地獄落ちの末路、期待していますよ(ニヤリ) (12月6日 21時) (レス) id: e1f8464f5a (このIDを非表示/違反報告)
氷柱(プロフ) - 真理さん» コメント有難うございます。原作でも、家族の縁を切ったにも関わらず柚子に迫りましたからね…ある意味どんな幽霊や妖怪よりも恐ろしい人間です。 (12月5日 22時) (レス) id: 454fdc4e71 (このIDを非表示/違反報告)
氷柱(プロフ) - シャリファさん» 勿論瑶太は色々とやらかしてますが、更に原作と違って、玲夜の花嫁だと知った上で柚子を害そうとしましたから、それはもう恐ろしいなんてものじゃないですね… (12月5日 22時) (レス) id: 454fdc4e71 (このIDを非表示/違反報告)
真理 - こんな奴らと、早く縁を切ってほしいね。 (12月5日 20時) (レス) id: e1f8464f5a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:氷柱 | 作成日時:2023年7月30日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。