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お父さんとお母さんが、私に大声で責め立てる。
今まで以上に、強く非難する。
「花梨は花嫁なのよ!?花梨を叩いておいて、勝手に家出して…この親不孝者!」
「お前は花梨と違うんだ!何故それが分からない!花梨はこの家で大切にされるべき花嫁だというのに!」
「この不良娘!言われた通りに出来ない、花梨に迷惑ばかりかけて、花梨の喜ぶ事は何1つ出来やしない…」
「その上、花梨を呼びつけておいて謝罪をさせるなんて、身の程知らずにも程がある!瑶太君に腕を燃やされて当然だ!」
「花梨を悲しませるだけじゃなくて、花梨を傷付けて……花梨に―――」
……
あぁ
どうして
やっぱり、私
何で…
「っ……!何で、こんな……!?お姉ちゃん!」
花梨の声が聞こえる。
あんなに私に辛く当たっていた花梨が、私の所に駆け寄ろうと必死になるも
瑶太がそれを制する。
「良い度胸だな」
じり、と瑶太が近付く。
「花梨がお前に対して非難の声を言わないのを良い事に、散々花梨を悩ませて…それに悲しませるなんて」
動けない。
怖い。
「花梨に手を上げたばかりか、更に悲しませるとは何様のつもりだ!?」
今にも殴り掛かる勢い。
いや…本気で殴ろうとしている。
私に詰め寄る。
怖い。
きっと、片腕を燃やされるだけじゃ済まない―――
「…お前こそ、俺の花嫁に対して何様のつもりだ?」
そこに現れたのは…あの夜から、私を助けてくれた人
「あ、貴方は―――!」
______
〈side 花梨〉
彼が突然足を踏み入れた瞬間
その場にいる全員が
時が止まったかの様に釘付けとなった。
私もその1人。
原作とは違う展開…どころか、どういう訳か原作以上に両親と瑶太はお姉ちゃんを責め、傷付ける。どうなるかと思ったけど、本当にタイミングが良い。
あのままじゃ瑶太は…お姉ちゃんを本気で始末する勢いだったから。
同じあやかしでありながら。妖狐の中でも上位の瑶太とは比べ物にならない美しさ、そして圧倒される気高い覇気を纏う。
日本を陰で操る
あやかしのトップに立つ鬼の一族
鬼龍院家の次期当主
……鬼龍院玲夜。
そしてお姉ちゃんは、その鬼龍院玲夜の花嫁に選ばれた。
当然、瑶太は玲夜の…むしろ声とただならぬ鬼の気配を感じ取り、怯える。
後ろを振り向くまでもなく、だ。
良く2番目の方が、1番目の恐ろしさを知るとは聞くけど…正にそれなのかも…ね。
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氷柱(プロフ) - 真理さん» 姉妹の両親に関しては、原作でもスカッとしましたが、あれ以上に色々とやりまくる予定です。もう本当許せませんもん。しかし瑶太に関しては賛否両論覚悟ですが、救済措置を与えようか考えています。まぁこの後ドキツイお仕置きを受けて痛い思いをさせるのは確定ですが。 (12月6日 23時) (レス) id: 454fdc4e71 (このIDを非表示/違反報告)
真理 - 氷柱さん» スカッととクズ共(両親と瑶太)地獄落ちの末路、期待していますよ(ニヤリ) (12月6日 21時) (レス) id: e1f8464f5a (このIDを非表示/違反報告)
氷柱(プロフ) - 真理さん» コメント有難うございます。原作でも、家族の縁を切ったにも関わらず柚子に迫りましたからね…ある意味どんな幽霊や妖怪よりも恐ろしい人間です。 (12月5日 22時) (レス) id: 454fdc4e71 (このIDを非表示/違反報告)
氷柱(プロフ) - シャリファさん» 勿論瑶太は色々とやらかしてますが、更に原作と違って、玲夜の花嫁だと知った上で柚子を害そうとしましたから、それはもう恐ろしいなんてものじゃないですね… (12月5日 22時) (レス) id: 454fdc4e71 (このIDを非表示/違反報告)
真理 - こんな奴らと、早く縁を切ってほしいね。 (12月5日 20時) (レス) id: e1f8464f5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氷柱 | 作成日時:2023年7月30日 0時