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あやかしの花嫁 ページ12

―――この玲夜って、最初は怖い存在だったんだねぇ。



今度は、前世の夢。
名前がどうしても思い出せないけど…大好きなお姉ちゃんと過ごした日々の記憶。



―――でもこれ、玲夜が怖いんじゃなくてさ、周りの玲夜に対する下心がヤバいからじゃない?

―――あー、確かに。政治とか…もしかしたら芸能人とか資産家とか、鬼龍院家とのパイプを虎視眈々と狙ってるみたいだし。

―――または玲夜の容姿目当てとかね。人間の女がある意味怖いよね。



―――そんな中、柚子に出会った…と。柚子って、外見とか地位とかそういうのはどうでも良さそうだし。しかも身の丈をわきまえているけど、強かだし…



―――でも、凄いよね。花嫁を見つけたら、それまで結ばれてた政略的な婚約は白紙なんでしょ?何か甘美な香りとか、心臓が激しく高鳴るとか…



―――……そんな感じのトキメキ、私も味わってみたいなぁ。



そう嘆いても、両親の愛に飢えていた私達には縁のない話。
姉妹愛も、お互いの傷が治る訳でもなく、ひたすら励ますのに必死。

何か生きる理由がないと、頑張れない日々。





……お姉ちゃん。



私がいなくなってから、どうなっちゃったんだろう。




会いたい、な……





……




目を開ける。




朝だ。




今、私が生きている現実の世界だ。





「……はぁ」





結局の所、花梨に転生してしまった私に出来る事は限られている。

お姉ちゃんは今鬼龍院家で保護されて…その後彼らが私とお姉ちゃんの祖父母に連絡するのよね。
で、時系列的に…次の日にこの家に玲夜が来て…瑶太を制裁するのである。



…悪いけど、私は瑶太に対して何をしようとかどうしても思えない。



お姉ちゃんの痛みを、ちょっとでも味わえば良い。




……最も、私自身も味わうべきなのだけれど。




それでも時間は進む訳で、私はリビングに向かう。
何だか、いつも以上に良い匂いがする。





扉を開けると…





「―――あぁ、おはよう。花梨」





テーブルに並ぶ豪華な料理の数々。

満面の笑みの両親。

そして…瑶太…?





「おはよう……どうしたの?これ…」

「花梨が少しでも元気を取り戻してくれればと、使用人を呼んだ」

「って、ええ!?」




狐月家の者がわざわざ私の家に来て、朝食を作ってくれた。




「い、今どこにいるの!?そんなわざわざ呼んでもらう程の事なんて!」



「花梨、瑶太君がそう言ってくれるのだから」

「お前は花嫁だ。素直に甘えなさい」

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氷柱(プロフ) - 真理さん» 姉妹の両親に関しては、原作でもスカッとしましたが、あれ以上に色々とやりまくる予定です。もう本当許せませんもん。しかし瑶太に関しては賛否両論覚悟ですが、救済措置を与えようか考えています。まぁこの後ドキツイお仕置きを受けて痛い思いをさせるのは確定ですが。 (12月6日 23時) (レス) id: 454fdc4e71 (このIDを非表示/違反報告)
真理 - 氷柱さん» スカッととクズ共(両親と瑶太)地獄落ちの末路、期待していますよ(ニヤリ) (12月6日 21時) (レス) id: e1f8464f5a (このIDを非表示/違反報告)
氷柱(プロフ) - 真理さん» コメント有難うございます。原作でも、家族の縁を切ったにも関わらず柚子に迫りましたからね…ある意味どんな幽霊や妖怪よりも恐ろしい人間です。 (12月5日 22時) (レス) id: 454fdc4e71 (このIDを非表示/違反報告)
氷柱(プロフ) - シャリファさん» 勿論瑶太は色々とやらかしてますが、更に原作と違って、玲夜の花嫁だと知った上で柚子を害そうとしましたから、それはもう恐ろしいなんてものじゃないですね… (12月5日 22時) (レス) id: 454fdc4e71 (このIDを非表示/違反報告)
真理 - こんな奴らと、早く縁を切ってほしいね。 (12月5日 20時) (レス) id: e1f8464f5a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:氷柱 | 作成日時:2023年7月30日 0時

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