すなおになりたい【歌い手】 (ページ7)

今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:4,204 hit

きいろいたいおんけいページ7

『あたま、いたい…』

布団から出てこない私を心配したのか

ただ、ご飯ができたから呼びに来たのか

センラがドアをノックする

弱ってるなんて知られたくなくて

受験生なのに体調管理もできないなんて

自分でも認めたくなくて

主張がやまない頭痛は知らないふりをして

立ち上がる

はんなりとした京都弁がすんなりと耳を通る

「起きてます？ご飯、出来たんやけど…」

『ん、おきてる。』

とぼとぼとあるいてドアを開けた

いつもの私の椅子に座るつもりだった、

なんだかふわっとしてふらっとなって

「っ、あぶな、ってあほぉ。」

『んぅ？』

地面に直撃する前に抱きとめてくれたセンラ

さっきまでサラダかなにか洗ってたんだろうか

肌に触れるひんやりとしたセンラの手先が

ちょうどよく冷たくて気持ちいい。

「熱？風邪？頭痛いとかある？」

『あたま、いたい…』

「んー。あんた熱あるんとちゃいます？」

『わかんなぃ、』

「ほら、測って？」

『ん。』

「うわっ、高すぎひん？
待って熱さまシートどこやったっけ？」

ここまですんなり流されちゃったけど

志望校はE判定、12月の段階では。

どうしてもそこに行きたいから

塾に行って勉強しなきゃ行けない。

こんな熱だからって頭痛いからって

のたのたやすんじゃいらんない。

『じゅく、いかなきゃら、ちこくしちゃぁ。』

ふらふらと覚束無い足取りで

りゅっくをとりに部屋に戻る

熱さまシート探しに夢中なセンラは気づいてない。

今がチャンス。

玄関までできるだけ急いで

靴を履く

ごはんたべてないけどお腹すいてないしいいよね。

おべんとは、。コンビニでかお。

ぼんやりする頭を必死に動かして靴を履く

あちゃぁ、これ反対に履いちゃった

履き直そう右左を交換して

紐を結ぶ