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むらさきのいめちぇん ページ21

へアドネーションをして

少しでも誰かの役に立てればなんて考えて

隣でショートにしてと駄々をこねる

ばぶばぶな志麻くんを無視して

伸ばし続けてきたこの長髪

もう、規定の31cmは余裕であるし

梅雨なのに暑さは増して実質もう夏だし

そう思って、ゲーム配信をして部屋にこもりっきりの

志麻くんには何も言わずに外に出た

(出かけてくるってLINEはしたけど)


いつもの美容室について、

オーダーして、シャンプー無しでカットしてもらう

ばっさり切られても、まだ余裕がある髪を整えるついでに

シャンプーしてもう少しカットしてもらう

インナーにラベンダーアッシュを入れてもらって

…喜んでくれるといいな



美容室が終わって、一歩外に出れば

いつの間にか雨が降っていて、

似合わないって言われたらどうしよっていう不安と

彼の反応を楽しみにしているどきどきとで

胸がはち切れそうになる。

首にあたる髪がすこしちくちくしてくすぐったい



タクシーを呼ぼうとスマホを出せば

1時間前に届いたわかったと少し無愛想な返事

そして、ちょうどよく鳴る電話


『もしもし、志麻くん?どうしたの?』

「傘ある?」

『ないけど、タクシー今から呼ぼうと思って。』

「どこいる?迎えいく」


会った時に彼を驚かせたくて

美容室って言ったらばればれだし、

すぐ目の前のスーパーの名前を言った



急いでスーパーまで走って、

卵と志麻くんの好きなお菓子を

会計して外に出れば

きょろきょろ私を探しているブルージュの髪の毛

反射で抱きつけば、びくっと肩を揺らしたあと

目を丸くした


「え、まって…」

『ふふ、どう?』

「…」

固まって黙っている志麻くんを見て

あ、これ似合ってないんだなって思った


『似合って、ない、よね…』

「違う、めちゃくちゃ可愛ええ。ちょ、はよ帰ろ。車こっち」


手を掴まれて、車のところまでどんどん歩いていく

ちゃっかり傘も卵も持ってくれてるやさしま


助手席のドア紳士に開けてくれて

志麻くんも車に乗ったあと


手を引き寄せられて抱きしめられた



『志麻くん?』

「めちゃくちゃ可愛い。きすしていい?」

『んぁ…まって、』

「インナー紫やん、まじで無理、可愛すぎやて」

『志麻くん好き?』

「もう好きすぎて死にそう。迎えいったら彼女の可愛さバージョンアップしてどうしたらいい?襲ったろか?」

『ばか…ぁッ』


家帰ったら結局どろどろに溶かされたけど

かっこよかった志麻くんの話は秘密

きいろのぶらんけっと→←むらさきのゆかた



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作者名:ちこ。 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年8月12日 23時

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