184.大丈夫。 ページ10
.
A「停電……？」
色が消えた、なんて言っても薄暗い夕闇が広がっているだけで
何も見えないわけじゃない
それでも、見えなくなった視界はやり場のない不安だけを大きくしていって
心細さだけを残していく
勢いを増し始めた雷光が
櫻井先生の影を映し出す
光と音に驚いた私は、無意識のうちに隣に座る先生の腕をぎゅっと掴まえていた
Tシャツから伸びる筋張った腕に一瞬だけ力が込められた
それを感じた途端に、自分でした抱きつくような行動に急に恥ずかしさが襲ってきていて
それでも響き続ける雷の音に、その手を離す選択肢が私にはなくて
息を潜めるながら
恥ずかしさを堪えながら
それから、不安を堪えながら
先生の腕をぎゅっと掴まえてた
.
翔「大丈夫。」
それだけ言って、先生は私の体をその腕でふわりと包み込んだ
翔「怖い、よなぁ？やっぱ。」
A「……はぃ……ちょっとだけ……。」
翔「どー頑張ったって、人間は天災には勝てないからなぁ……。」
私を包み込んだ先生の胸からはちょっとだけ速くなった鼓動の音が聞こえていた
たぶん、先生だって突然の停電に少しは動揺しているはずで
なのに、それを決して見せようとしない
さっきのDVDにはあんなに情けない顔を見せていたのに
こんな時はやっぱり頼れる男の人なんだなって感じさせてくれてた
.
翔「何かあった時は、ちゃんと守るよ。」
不意に呟かれた言葉に
包み込まれた腕の中から櫻井先生を見上げた
肌から直接聞こえるような声に
薄闇の中に見えた先生の真っ直ぐな瞳に
思い詰めるようなその表情に
苦しいぐらい胸がぎゅって鳴ってた
.
翔「守りきれなかった後悔は二度と……────。」
A「……ぇ？」
翔「ぁ……いや(笑)なんでもない。」
ふ…と笑う呼吸が聞こえて
櫻井先生の腕の力がちょっとだけ強くなった気がした
何を言おうとしたのかは、よく分からなかったけれど
私にとっては『守る』の一言が強く胸を打ちつけたのは
気のせいなんかじゃないはず────
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2257人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
四葉(プロフ) - まこさん» 悶々とするほど焦らしプレイなんですけど( ＊｀艸´)雅紀くんのモノだとわかっていながら手を出そうとする櫻井先生の気持ちが分からなくなってきた最近(笑) (2015年8月29日 23時) (
レス) id: 73b16fcbfe (このIDを非表示/違反報告)
まこ(プロフ) - ま、ま、丸山くん！いいキャラしてる！笑 目配せしてくる辺り確信犯な先生も私は好きですよ！！！(←外野の野次入ります) この夏の合宿何が起こるかわからな〜ぁいけどミラクルボーイ相葉くんもまだまだわからな〜ぁいって四葉さん焦らさないで！！！ (2015年8月28日 4時) (レス) id: d776a395e1 (このIDを非表示/違反報告)
四葉(プロフ) - 奈々さん» ありがとうございまーっす☆具体的なラストシーンは考えてないんですけど（←ヲイ）ラストのイメージだけはあります(笑)最後までよろしくどうぞー！ (2015年8月26日 23時) (レス) id: 73b16fcbfe (このIDを非表示/違反報告)
四葉(プロフ) - haruさん» 丸山……まさかのモーホー……？それは全くもって考えてなかった(笑)まだ出てきてないサトシがオネェだったら……とかはちょっと考えたけど(笑) (2015年8月26日 23時) (レス) id: 73b16fcbfe (このIDを非表示/違反報告)
四葉(プロフ) - 和紀☆さん» 合宿でナニさせよっかな〜(〃艸〃)←考えてないんか！一つ屋根の下櫻井先生と雅紀くんの火花が散ってもいいんだけど、雅紀くんに隠れて先生とイチャイチャするのもいい(笑) (2015年8月26日 23時) (レス) id: 73b16fcbfe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：四葉
作成日時：2015年7月22日 20時
