05.淡色 ページ5
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体育館には、真新しい制服のまだあどけなさが残る1年生が並ぶ
その後ろで2年生と3年生がだるそうな顔をして入学式に参加していた
ポカポカとした春の日差しは入学式に相応しくないほど心地いい
私の座った席からは、隣のクラスの男子の列に並ぶ雅紀くんがちょうど斜め前に見えて
必死にアクビをこらえる姿に、つい口元から笑みが溢れてしまう
校長の長い祝辞も、こんな時には子守唄に聞こえてしまう
ぐったりとイスに寄りかかった雅紀くんが腕を組んだまま動かなくなって
とうとう寝ちゃったのかな……とか
先生に見つかったら怒られちゃうよ……とか
入学式なんかよりも、雅紀くんの観察にばかり視線がいってた
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太陽の光の反射に、茶色い髪の毛がいっそう薄茶色に透けてる
伸びた前髪の先端が、鼻の先に触れて
時折、くすぐったそうに顔をくしゃって歪める
むにゃむにゃと動く唇に、チョットだけドキッとして
春休みにしたキスを思い出に、体の中がジン…って熱を帯びたのが分かった
神聖な入学式の最中にこんなこと考えてる
1年前、同じように入学式をする側だった私からしたら考えられないことかも知れない
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雅紀くんの肩が寝息と共に静かに上下する
薄っぺらい体なのにやけにカッコよく見えてて
自分の彼なんだって思うたび、いつも他の子に優越感を感じてた
いっぱい食べるくせに太らない体質とか
男の子のくせに、まつ毛が長いとか
誰にだって愛想がよくて、怖そうな部活の先輩からだって可愛がられちゃうこととか
いっつも羨ましいなぁって思ってる
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色々考えてると、やっぱりなんで私と付き合おうと思ったのかよく分からなくて
だけど、好きって言ってくれるからそうなんだろうなぁ
なんて、私が好きかどうかよりも
雅紀くんの好きばっかりを求めて付き合ってきたんだと思う
私だって、雅紀くんが好き
ちゃんとその気持ちはある
じゃなきゃ、雅紀くんとイロンナコトなんて
出来るわけないんだから────
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さち(プロフ) - 四葉さん！はじめまして！さちと言います。もーﾄﾞｷﾄﾞｷが止まらないです☆私は四葉さんの表現する情景とかがすごい好きです。自分で想像できますもんね？どんどん読み進めていきたいです！いっぱいﾄﾞｷﾄﾞｷさせて下さい（笑） (2015年9月7日 11時) (
レス) id: c724a1f9a4 (このIDを非表示/違反報告)
四葉(プロフ) - kukuさん» 私も学生に戻りたいー！なんなら人生やり直したいー！そんな諦めの人生送ってますけど、妄想だけは諦めてないZE☆ (2015年4月23日 20時) (レス) id: 8fb8ce72d4 (このIDを非表示/違反報告)
四葉(プロフ) - まみさん» 降臨！降臨っていえば帝王降臨……みたいに感じちゃうんだけど(笑)黄昏る教室ではいつもの教室とはまたちがう雰囲気で……ってことで( ＊｀艸´) (2015年4月23日 20時) (レス) id: 8fb8ce72d4 (このIDを非表示/違反報告)
四葉(プロフ) - YOHさん» ありがとうございまーっす( *｀艸´)なんとなーくな雰囲気を出したいだけのために無駄な背景描写までしちゃうんだけどね！いや、きっと無駄じゃない！って思ってる！！ (2015年4月23日 20時) (レス) id: 8fb8ce72d4 (このIDを非表示/違反報告)
四葉(プロフ) - 奈穂さん» 保健室の先生ってEROいイメージしかないんだけどねー、実際保健室に行ってもEROさなんてこれっぽっちもない年配の先生がいたりして|ω・`)穏やかな保健室の空気に惑わされちゃう！ (2015年4月23日 20時) (レス) id: 8fb8ce72d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：四葉
作成日時：2015年3月28日 17時
