裏話 続（STORM BTINGER ネタバレあり） ページ33
【裏話 参】
Aの入社前の裏話です。両親を亡くしてから彼女は対人恐怖症のような状態になっていました。
元々、幼少期のAは両親以外の人間とほとんど関わりがありませんでした。
その頃はまだ異能の制御が不安定で無意識に力が溢れ出てしまう時があった為です。両親は娘が異能目当ての良からぬ者に狙われないよう、ある程度力を制御できるまであまり外に出さないようにしていました。
しかし、事件が起き両親を殺され、碌に両親以外の人間を知らなかったAの中に人間＝両親を殺した存在という意識が刻まれてしまい、人を受け付けられなくなりました。
特に事件直後はショックも併せて食事をまともに摂れず睡眠もままならない酷い状態に。中でも人に触れられるとパニックに陥ってしまっていました。
ただ、両親から逃がされた時はまだ彼らが生きている可能性を僅かながら信じており、自分を保護してくれた探偵社に「父と母を助けてほしい」と縋っています。人間を本能レベルで拒絶するようになったのはその後両親の死が逃れようのない事実として突き付けられてからです。
そうなる前に社長を筆頭に探偵社の面々には「この人達は助けてくれる人だ」と意識が根付いた為、辛うじて彼らにだけは心を許していた、という裏話です。それでも、最初は触れる事も触れられる事も出来なかったようですが。
【裏話 肆】
Aの過去については上で書かれた通りです。
では、何故彼女は中也だけは拒絶しなかったのか？
当人達に記憶はありませんが、実は彼らは幼い頃に出会ったことがありました。
Aの両親は彼女を生む際、横浜からは離れた地方に一時的に身を隠していました。警察官の中でも危険な任務を請け負い、時に犯罪者から狙われることもあった彼らは安全な場所で出産をと考えた結果です。
そして、両親が隠れ場所として選んだ場所こそが中也の生まれ育った故郷でした。
幼かった彼は生まれたばかりの赤ん坊に興味を持ち、別れの日が来るまで何度も会いに行っていました。
生まれたばかりだったAも、荒覇吐の研究により記憶を抹消された中也もこのことを憶えてはいません。
ですが、心のどこかに残っているものがあったのでしょう。
だからこそ、人を受け入れられなくなっていたAも中也だけは拒絶しませんでした。
最後に、読者様へ感謝を申し上げます。本作を読んでくださり本当にありがとうございました。
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雪白(プロフ) - 雪さん» コメントくださりありがとうございます。そのように仰って頂けて大変嬉しいです。ただ、現時点ではあまり続編を書く予定はありませんね…。ご期待に沿えず申し訳ございません。拙い作品ですが、最後まで読んでくださり本当にありがとうございました。 (7月5日 17時) (
レス) id: a24e144b4a (このIDを非表示/違反報告)
雪 - とっても素敵な話をありがとございます🌸話の流れからしてこれで完結のようですが、死の家の鼠編やそれ以降の話はやったりしないのですか？ (7月3日 14時) (レス) @page34 id: 685216d62e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪白 | 作成日時：2023年2月25日 9時
