また会いましたねこんにちわ、留年生です

ピエロも楽じゃない ページ8

誰かと付き合ったりとかさせたい
カプ病ばばあだから
ドラマに出てくる男女がいい雰囲気になったらすぐチューしろとか言うから
え？言うよね？あるあるだよね？

ーーーーーー


「ひっく・・・ぐす・・・」


そのとき少女は目から水分を流した
それが本当に涙なのかは考えるまでもない


「ひどい、どうしてなんでしょう？私Aちゃんに何かしちゃったんですかね？

英智先輩」


香水の匂いが鼻をついて歪んだ笑みしか浮かべることが出来ない
あの子の前なら火だるまになっていたって最上級の笑顔を送ることが出来るのに


「そんなことはないさ」


女はうそ泣きがうまい、なんて女性差別のようなことを親戚のだれかがいっていた気がする

僕は女性が全員そうでないことを知っているけれど、彼女を見ていると何だか一理ある気もしてくる

こんなにも一人の女の子に心酔しているというのに、それではその子も・・・ということになってしまう、とんだ裏切りだ

目の前の彼女は知るよしもない話、けれどすべてをお前のせいだと押し付けてしまいたい



「すみません、放課後なのに突然生徒会室に押し掛けちゃって、でも私・・・耐えられなくて」

「いいよ、気にしなくて」


予告無しにここに入ることも


「でもすごいですね、部屋も豪華で、紅茶もいっぱい、今私が座っている椅子は特に可愛らしいデザインですね」

「それは特別なものだからね」


その椅子も


「英智先輩？どうかしました？」

「ん？なんでもないさ」


名前も


君が踏み荒らすことを、誰が許可したのだろう


すべて、すべてすべて、愛しい愛しい彼女の特権なのに、彼女を思って作られたものなのに

彼女に呼ばれるためにあるといっても過言では無いのに


「もう泣かないで」

もうその醜い顔をさらさないで


「もう彼女の話はやめよう」

その名前を呼んで彼女を汚さないで


僕はこんなに笑うのが下手だっただろうか
僕の愛しい人の害悪と同じ空気を吸うなど

なんて苦行だろうか


それでも


「紅茶でも入れようか、少し落ち着くだろう」


君の王子さまを演じてやろうじゃないか、君に寄り添う天使だって演じてあげよう

あのときの君を思えば


こんなことは痛みにすらならないのだから


ーーーーーー


「はあ、やっと帰った」


結局彼女は散々愚痴って帰った
優しいことばをかければ気は済んだみたいだ


「なんだ英智、疲れた顔をして」


「ああ敬人、少しね」

求む 情報収集できる人、ついでにお片付けが得意な人→←いや、今更まおりんのこと思い出したとかじゃない決して

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