合わせ鏡の合成獣 4（イナズマイレブンオリオンの刻印） (ページ5)

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野「…“奇病多発性障害”…ですね。」

不「やっぱり聞いてたか。」

野坂や不動や一星、西影以外は聞き慣れないその単語に首を傾げる。…今日は不思議な事ばかり起きているので、皆の理解能力がどんどん低下していっていた。

坂「…奇病…、何ですか、それ？」

不「奇病っうのは、普通ではあり得ないおとぎ話のようなことが起こる病気の事だ。医学的には完治方法があまり証明されてないなど、謎の部分が多い。完治方法の多くは本当におとぎ話みてぇなもんばっかりだ。」

つ「例えば、どんなものがあるんですか？」

不「…花吐き病が代表例だな。」

剛「花でも吐くのか？」

不「まぁ、そういったところだ。」

剛陣は自分の推理が当たって、何故か大喜びしていた。不動はそんな剛陣を見て、呆れながら話を続けた。

不「叶わない、諦めた恋をした人間にその病気はかかる。言わば、恋の病ってところだな。」

つ「何だかスゴくロマンチックですね！」

不「あぁ。長引いたり、叶わなかったりしなきゃだがな。…そういう場合は、病人が最終的に自らが花になってしまうらしい。…前例があるが、ほとんどは治るからな。」

つ「ロマンチックな話には、裏が付き物ですね…。」

不「Aもそれにかかったが、直ぐに結ばれたからな。俺が言わなきゃ、ほとんどが知らなかっただろう。」

灰「それが明日人だったってことか。」

不動は静かに頷く。皆はAの病気が無事に治っていたことにホッとするが…

不「だが、それが不幸の連鎖の始まりだった。」

奇病多発性障害の連鎖は止まることを知らない。

不「元々持っていた病気の吸血病と獣病の本来の力が発動してしまった。今までは軽い症状だった二つがこれからどんな変化をしていくのかは、正直俺にも分からねぇ。」

野「…。」

不「…まぁ、これだけは言えるな。」

不「Aの病気が暴走したら、間違いなくとんでもないことが起こるってな。」

不動のその言い方に、メンバーはゾッとしてしまう。そんなメンバーを見て、不動は鼻で笑った。

不「フッ。まぁ、そんなこと起こる確率はかなり低い。そんなAを今駆除しようなんて、考えてくれるな…。」

最後の方、力無く答えた不動。自分の大事な妹が意味嫌われるのを恐れているのだろう。不動はギュっと拳を握った。