合わせ鏡の合成獣 4（イナズマイレブンオリオンの刻印） (ページ4)

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そう言って、監督は不動と一星の方を見つめた。不動と一星は気まずそうに監督を見つめ返す。

不「…監督も人が悪いこってぇ。」

光「あはは…。」

氷「…事件か？」

岩「きっと違うでゴス…。」

円「やっぱり、あの時の事…なのか？」

円堂が言うあの時とは、Aがイナズマジャパンを飛び出したとき。あの変化を指しているのだろう。すると、一星がハァ…とため息をついた。

光「…ここまで来ると、プライバシーが何だのって、言えなくなります…。」

不「仕方ねぇ、話すしかねーか。」

光「じゃあまず、俺から…。」

一星がおそるおそる手をあげる。そして、一息ついて話し始めた。

光「…Aさんが大統領のお父さんの事を“お義父さん”と呼んでいるのは知っていますよね。そのままの通り、あの人がAさんの本当のお父さんではありません。」

豪「…けっこう大変な思いをしているんだな。」

光「ですね。そして何の不幸か、Aさんは養子に迎えると、お金持ちになれるなど、変な噂がくっつくようになります。そのため、色んな家をたらい回しにさせられます。そんな時です。Aさんがオリオン財団にやって来たのは…。」

一星は話が進むにつれ、話しづらそうに下を向き始めた。そんな一星の方を野坂がさすった。

野「落ち着いて…。」

光「は、はい。…そして、オリオン財団…ギリカナン家で生活する内に、Aさんが昔サッカーをやっていたのに気がつくんです。…そのため、Aさんは…っ。」

不「…体力的にも、精神的にも深いダメージを毎日与え続けられる羽目になった。ギリカナンの当主は亡くなっていたみてぇだから、主に母親と長男にな。」

話しづらそうな一星に変わって、不動が話し始めた。…かなり顔を歪めながら。

不「Aが言うには、狭い部屋に閉じ込められて、拷問を受けたり。元々持っていた病気のせいで、気味悪がられ…。そんな毎日だったらしい。」

不動が話す内容を他のメンバーは理解ができなかった。あんなに明るくて、笑顔が似合う女の子がそんな辛い過去を持っていたなんて…。直ぐに信じることが出来なかった。

杏「…そんなっ。」

不「そして…Aはある病気のせいで日本に強制送還された。それは、今から話す内容に関係してくる。」