合わせ鏡の合成獣 4（イナズマイレブンオリオンの刻印） (ページ24)

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無印side

響「…グラン。」

グ「響っ！本当の響なの？」

響は力無く頷く。そして、口を開いた。

響「…何泣いてんだ？泣くなんて…ならしくねーな。」

グ「うるさいなぁ…、嬉し泣きさ。」

グ？「ねぇ？俺を除け者にしないでくれないかな？」

もう一人のグランが口を開き、二人は現実に戻された。そして、響はもう一人のグランに対して、暴言を吐く。

響「…違う世界から見てたけどよぉ、そもそもがちげーんだ。こいつは俺って言わねーし、第一、仕草がちげー。」

グ「…響。」

グ？「…バレちまったか。」

グランの偽物はナイフを放り投げ、高々と笑う。二人は、その様子を静かに見ていた。

グ？「そうさ。俺は父さんに作られたこいつのクローン。作られた目的は…。」

響「グランの大切な人、つまり俺を排除するため。」

グ？「ご名答～。」

響の答えに、偽グランは拍手を送った。

グ？「そして、目的は達成できた。だから、俺はもう用済み。」

グ「…っ！待てよっ！」

グ？「またねーよ。後は父さんに聞きな。」

そう言って、偽グランは暗闇のなかに消えていった。グランは視線を響へと直して、また、悲しそうな表情を浮かべた。

グ「…響っ。」

響「…ハハッ、まさかこいつの腕のなかで最後を迎えるとは…な？」

グ「…っ！最後だって？そんなこと…言わないでくれよ…っ。」

響の体からは、止めどなく血が流れ出る。もう、助からないだろう。だがグランはそれを認めようとしない。

響「往生際が悪いな…。だが…俺はっ。」

グ「…？」

響「…お前の腕のなかで…よかったと思ってる。」

グ「…えっ。」

いきなり言われた爆弾発言(グランにとっての)にグランは顔を赤くする。

響「お前、ずっと好きって言ってたじゃねーか。…だからかもな。」

グ「…そ、そんな積極的だとは思わなかったよっ。」

響「うっせ！」

一度は怒鳴ったものの、響は冷静になるために少し笑う。

響「…まぁ、返事してやっても…良いかなって思ったんだよ。」