合わせ鏡の合成獣 4（イナズマイレブンオリオンの刻印） (ページ21)

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しばらく話した後、新条がイナズマジャパンの宿舎に送っていくことになった。明日人は乗り込もうとするが、Aと響は動かなかった。

稲「二人は乗らないの？」

『うん。やることが出来ちゃって…。』

響「ブラジル戦までには戻らせるさ。」

それを聞くと、明日人はAをキュ…と抱き締めた。Aもすぐに背中に腕を回した。

稲「…必ず戻ってきてね。」

『うん。明日人がいる限り、絶対に戻るよ！』

二人は名残惜しそうに手を離し、明日人は新条と共に行ってしまった。残った二人は少し場所を変えて、話を始める。

『…ありがとう、明日人に会わせてくれて。』

響「あぁ。だが、もう…。」

『…どうすれば、こっちにちゃんと戻ってこれる？』

響「…そのうち、何かしらのアクシデントが起こる。それに身を任せろ。」

『…？分かった。』

響の顔を伺えば、とても悲しそうな顔をしている。だがそれは、何かを決意したようにも見えた。

響「…じゃあ、その時が来るまで。」

響がそう言うと、二人の姿が光に包まれる。光が収まった頃には、Aの手にあのフランス人形がグデッと寝そべっていた。

『…グラン、お前は。』

A…いや、響は先ほどは見せなかった、透明な雫を頬から流していた。

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イナズマジャパンの宿舎にて。メンバーは明日人が全然帰ってこないことに、一抹の不安を感じていた。

剛「…こうなったら、オリオンに乗り込んでっ！」

の「あっ！明日人！」

剛「えっ！」

のりかの声に皆が反応する。そこには明日人の姿があった。伊那国島のメンバーは明日人に駆け寄った。

氷「明日人！」

の「良かったぁ！」

岩「心配したでゴス。」

稲「みんな、本当にごめん。」

すると氷浦が思い出したように、明日人の肩に手を置いた。

氷「聞かせてくれよ、親父さんのこと。」

稲「…うん。実は父ちゃんは…。」

明日人から離された真実に、メンバーは凍りついた。

野「オリオンはここまでするのか…。」

杏「…酷いっ！」

皆、オリオンの恐ろしさを痛感している。するとつくしが口を開いた。

つ「そういえば、Aちゃんは？」

稲「何か、やることが出来たみたいで…。次の試合までには戻るらしいです。」