87 ページ37
___恋をした相手が、アイドルだったら。
沢山のファンを魅了する、雲の上の存在のような人を好きになってしまったら。
諦める?
好きだという気持ちを無かったことにする?
そんなことを考えていた少し前の私に言いたい。無理にかき消そうとしても、好きの気持ちは増すばかりだよって。苦しいんだよって。
「___2人きりにして大丈夫やったかな、って思っとったけど。全然大丈夫やん」
『あ、あはは』
「もうAさんは俺の彼女だからね、廉!」
「わざわざ言わんでも紫耀のデレ顔見とけば分かるわ!」
様子を見に仕事終わりに平野さん宅を訪れた永瀬くんに、何故か秒で「2人ともくっついたん?」と確信をつかれてしまった。
「はぁ〜、明日も仕事やしお邪魔虫の俺は帰りまーす」
「また明日撮影で〜」
(一応)病人の平野さんはリビングに待機させて、靴を履く永瀬くんを玄関に立って見送る準備をする。
「あ、まだ言ってなかったな。おめでとう、良かったやん」
『あ、りがとう』
まだ現実味が無くて、夢の世界に居るようだけど。
口角を上げながら意地悪そうに笑う永瀬くん。
「紫耀のこと宜しくな」
『…うん。私の方こそ、これから宜しくお願いします』
宜しくされました、なんて笑いながら永瀬くんは帰って行った。
2467人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「平野紫耀」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みさ | 作成日時:2019年9月1日 3時