オトナリサン２ (ページ36)

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『っ、』

「わっ」

勢い良く平野さんの首に両腕を回し抱き着くと、少し体制を崩して小さく声を漏らす。

『好きです…っ、私も、平野さんのことが好きっ』

「っ」

私の背中に回る逞しい腕が、痛いくらいに私を抱き締める。

「もう絶対に、泣かせない。…でも俺は阿呆だから気付かない内にAさんに我慢させて、悲しませるんだと思う」

きっと、これから先の未来の全ての出来事が幸せなものだとは限らない。

それは痛いくらいに分かってる。

だけど、

『私は、平野さんが隣に居てくれるなら、どんな未来でも乗り越えていける気が、します』

こんなにも好きな人に出会えた奇跡、そう簡単に失いたくない。

『強く、なります。平野さんのことが、大好きだから』

「＿＿＿もうっ、格好つけたいのにAさんの方が何倍も格好良すぎて出る幕無いじゃん！」

『っ、え…？平野さんは何もしなくても格好良いですよ？』

「〜〜〜っ！俺耐えれるかな」

『？』

平野さんが最後に小さな声で呟いた言葉は聞こえなかったけど、困ったように笑いながらもう一度キツく私を抱き寄せて唇を開いた。

「俺と、付き合ってください」

『よろしく、お願いします』

ゆっくりと近付いた距離、伏せられた彼の瞳。唇に感じた熱い吐息。

＿＿＿＿初めてのキスは、涙のせいで少しだけしょっぱくて

だけどとても幸せで、私はきっとこの瞬間を一生忘れることはないんだろうなって思った。

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あと少しお付き合いください…！！
やっっとここまで来れました( ; ; )長かったし焦らしてすみません、、！