オトナリサン２ (ページ33)

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＿＿私の言葉を遮る平野さんの手に、"拒絶"されたんだと思った。

目の前で俯くこの人は絶対私が何を言おうかしてたなんて気付いてるはずだし、それでいて途中で止めてくるんだもん。

『…っ』

ポタポタと両目から溢れた涙が、私の口元を覆う掌に零れ落ちる。その感覚に驚いたのか平野さんはバッと顔を上げた。

「っ、なんで泣いて」

自分で遮ったくせに、なんで泣いてるのなんてこの人馬鹿なの？！

「…泣かないでよ」

私から手を離すと、指で頬をつたう涙を拭ってくれた。…これ以上優しくなんてしないで欲しい、惨めになるだけ。諦められなくなるだけ。

『…ずるいっ、平野さんは、ズルい…っ』

「Aさん、俺の話聞いてくれる？」

『嫌ですっ、私帰「お願い」』

ベッドに座る平野さんに腕を掴まれ、身動きが取れなくなった。

「泣かせて、傷つけてばっかでごめん」

涙でボヤけた視界に、彼の整った顔が苦しそうに歪んでるのが分かった。なんで、貴方がそんな顔をするの…？

「…ずっと、Aさんが優しくするのも弱い姿見せるのも、笑顔を向けるのも俺だけだったら良いのにって思ってた」

＿＿一瞬、息をするのを忘れた。