オトナリサン (ページ40)

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挙動不審な私を見下ろしながらクスクス笑うと、男性はそのまま話を続ける。

「自己紹介遅くなってごめん、神宮寺勇太って言います。紫耀と同じグループで活動させて貰ってるよ、分かるかな？」

「以前テレビで拝見させて頂きました！ご丁寧にありがとうございます…！」

Aです、と私も名前を告げると

「Aちゃんって呼ぼうかな〜、いい？」

「お、お好きな呼び方でどうぞ！」

クールで、怖い人なのかなって一瞬思ってしまったけど神宮寺さんは朗らかで接しやすい人だと思った。

「＿＿っと、いけね。Aちゃんの様子見たら俺帰るつもりだったんだった」

今日昼から撮影だからさ、と少しだけ眠そうに話してくれる神宮寺さん。

「か、帰られるんです…か？」

「帰るよ〜、泊まりの用意して来てないしね」

私にかけられたタオルケットをクシャと握り締める。

そんな私の様子に気付いた神宮寺さんは、少し意地悪そうな顔をして笑った。