オトナリサン (ページ28)

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普通のお隣さんとして、接してくれる彼女に甘えてしまってるんだろう俺は。

ベッドに肘をついて彼女の寝顔を見つめていると、サラサラな指通りの良さそうな髪の毛が顔の方に流れ落ちる。

「…んん」

擽ったいのか小さく唸る彼女に、ふっと笑みが溢れた。

彼女の手には持ってく物を纏めている途中の紙とボールペンが握られたまま。それを起こさないように静かに指から引き抜く。

そのまま顔にかかる髪の毛を耳にかけてあげると、少しだけ険しかった表情が綻んだように見えた。

そのまましばらく寝顔を意味もなく見つめていると、彼女の部屋の時計が0時になったのが見える。

あかん、そろそろ部屋に戻らんと何も準備してへんし。また手荷物少ないって廉たちに言われてしまう。

音をたてないように立ち上がり、もう一度彼女の寝顔を見下ろす。