イヤホンをする理由 (ページ15)

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「藤井流星 … 」

藤井「そう、もしかして分かった？」

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… そういえば、体育大会の時

藤と井の団扇持ってた子居った気がする。

でも今初めましてやし、全然わからん。

「分からないです、 … 」

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藤井「廊下通られへんくらい人気やで？俺ら。」

「 … 学校で人気 … 。」

心当たりはない。

休み時間になってもほぼ教室か保健室やからなぁ … 。

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小瀧「お待たせー … って、流星やん」

藤井「望がこの子連れてきたんか？」

小瀧「眠くて保健室行ったらおったから」

藤井「ふーん … あ、君の名前なんて言うん？」

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「佐々木A っていいます、 … 」

藤井くんの眉間がピクっと動いた。

それから、私のことを少し睨む。

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藤井「 … あの男癖悪いとか言われとる子よな？」

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私は静かに頷くことしか出来ない。

藤井くんは、

なんでこんな子連れてきたんと言わんばかりの顔で

この人を見つめとる。

でも、やっぱりみんなの耳には入ってるみたいで

やっぱり私は、男癖の悪い人

って思われとるんやって、また心臓が痛くなる。

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小瀧「でっでも実際何もないねんて、な？」

必死にフォローしてくれるこの人。

でもここに居るのが苦痛で苦痛で仕方がなくなった。

藤井くん軽蔑しとるもん、私のこと。

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「 …… 私、保健室戻るな、」

小瀧「ちょ、 Aちゃん、！」

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ペコッとお辞儀をしてドアを開けようとした時、

誰かにグイッと腕を掴まれた。

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藤井「待てや、 …… 俺らが送ったるよ、保健室まで」

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