ジェラート一つ分の情報 ページ3
空港から歩いて数十分する場所にある別邸に自分の荷物を置いてきた
数年前から人の寄り付かない空き家になっていたそこは、大きな破損こそなかったものの目につくほどの埃が舞っていた
小庭やブロック塀の調子を見るに、大家が色々と目をかけてくれていたんだろう。感謝してもしきれない。
身軽になって少し機嫌の良い私は、極最低限の必需品だけをもってネアポリスの街を謳歌している。
「チロさん、Buongiorno!」
「……ん？おぉ、おぉ！君、まさかAちゃんかい！？大きくなったねぇー！一瞬誰だか分からなかったよ！」
「よく戻って来てくれたねぇ」なんて言いながら身を乗り出して握手を求めてきたチロさんに、私も快く握り返した。
小さな通りの角でジェラートを売るその店は、幼い頃によく友人と出向いた思い出深い場所だ。彼の好物がチョコレートだと知るきっかけにもなった。
当時ふくよかだった腹周りもスッキリとしたらしいチロさんは、人柄そのままの優しげな笑顔で今日もネアポリスの人々に幸せを配っている
「Aちゃん、今回は一人で旅行かい？」
「そんなところ。場合によっては長居するかもだから、そうなったらよろしく……あ、チョコレートとピスタチオ、二段で1つ」
「はいよ！いやぁそれにしても本当にまた会えるなんてねぇ、こんなキレイになっちゃって！
そういやぁついさっき、ジョルノも同じのを頼んでいったよ。彼にはもう会ったかい？」
「ジョルノも来てたんですか！いえ、まだ会ってないです。彼は今どこに？」
「確か、市中の学生寮に一人暮らしじゃあなかったかなぁ。詳しくは知らないんだが…
それよりもAちゃんきっと驚くぞ！最近になって髪が金髪になったもんだから、誰も半分日本人だなんて思わないだろうさ！多分すぐには気づかないんじゃあないか？まぁ髪型も結っていて特徴的だし、Aちゃんならわかるか！」
結んだ金髪の特徴的な髪型
そう聞いたとき真っ先に思い浮かんだのは空港で遭遇したあの学生服を来た少年だった。
確かに少し似ているとは思った。年齢も近い。でもだからといって本当にそうか？まさかな！そんな偶然あるわけないだろう！
自分で勝手にそう決めつけながらきっちりジェラート1つ分のお金を払いそれを受け取る
実に数年ぶりに味わう本場のジェラートはひどく優しい冷たさに満ちていた
「それじゃあまた来ます、Ciao！」
「あぁ！今度から安くしとくよ！」
「ありがと！」
うん、美味しい
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のの。(プロフ) - チェリブロさん» えええ！！読んでくださってありがとうございます！！（感涙）こちらこそよろしくお願いします(><)もー更新楽しみに待ってます！！！ (2019年2月22日 21時) (
レス) id: 823b20b1c6 (このIDを非表示/違反報告)
チェリブロ(プロフ) - のの。さん» のの。さん、コメント嬉しいです！ありがとうございます！私ものの。さんの短編集読んでますよ！自分の知っている作者さんにコメント頂けるなんて……これからもよろしくお願いします (2019年2月22日 19時) (レス) id: 575ba94511 (このIDを非表示/違反報告)
のの。(プロフ) - 好きです。これからも更新頑張ってください。ほんとに楽しく読んでます、、ありがとう(((言いたいこと多すぎて何も言えない (2019年2月22日 14時) (レス) id: 823b20b1c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チェリブロ | 作成日時：2019年2月10日 20時
