あの弓と矢は ページ20
目先の窮地は脱したみたいだ、良かった。
安心して一息着くと康一くんから不思議そうな目で見られた為、無理やり話の軌道を逸らすべく会話の内容を変えた
「そう言えばなんだけど、康一くんはなんでこの住所がジョルノのだって知ってるの?」
「!そうなんです、空港で話した探し人……それが彼、ジョルノ・ジョバァーナだったんですよ!」
「それは………随分と奇妙な話だね……汐華初流乃、だったっけ?彼に日本人名がある事すら初耳よ……幼少の頃数年一緒に過ごした仲だけど、承太郎さんが調べる様なヤバい案件とは関係ないと思うよ?」
「彼……と言うより、彼の父親がヤバいらしくて」
「父親?」
私が知ってる彼の父親は、マトモに子供の面倒を見ないような、暴力と酒ばっかりのクソ野郎だった
でもそれ以上に何が、だって承太郎さんが調べている事と言ったら__
康一くんから詳しい事情を聞き出そうとした、その時
「__!……_____ッ!!」
!!?
聞こえた、声だ!ジョルノの声!
叫んでいる!なにか焦っているように感じた!きっとあのライターに何かあったに違いない!
ハッとして部屋に入ってきた康一くんを見やる。そこには酷く動揺した顔がこちらを向いていた。彼は声を荒らげて叫ぶ
「ライターの火をつけた清掃員のじいさんが突然ぶっ倒れたんだ!多分スタンドの攻撃だ!しかも………古臭い矢に射貫かれてッ!アレは【弓と矢】のあの矢に違いない!!!」
あの弓と矢……というのは私達がまだ高校に入学して間も無い時期……ある事件に巻き込まれてから何かと因縁のあった代物だ。
故郷杜王町に存在した、スタンド能力を引き出す矢。然しSPW財団が回収した筈の物。まだ他にも存在したのか!
確かめなければ、アレはこの世に残していい様な代物じゃない!
康一くんと目が合った。声には出さず、強く深く頷く。彼の顔には、そしてその瞳に映る私の顔にも、覚悟という名の責任という言葉が強く押し出すようにして在った。
「急ごう!」
時は一刻を争うかもしれない。
どちらとも知れない声が部屋に木霊して、私達は部屋を駆け下りる。
どうか無事でいて、ジョルノ
あんなにも私のことを想ってくれていた友達との再会を、あんな忌々しい棒切れにぶち壊される訳にはいかないわ
・
「ジョルノ……!」
「A!」
何故今来てしまったんだッてな顔をしてこちらを向いたその傍には、影の中へ紛れるようにして不気味な影がひとつあった
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のの。(プロフ) - チェリブロさん» えええ!!読んでくださってありがとうございます!!(感涙)こちらこそよろしくお願いします(><)もー更新楽しみに待ってます!!! (2019年2月22日 21時) (レス) id: 823b20b1c6 (このIDを非表示/違反報告)
チェリブロ(プロフ) - のの。さん» のの。さん、コメント嬉しいです!ありがとうございます!私ものの。さんの短編集読んでますよ!自分の知っている作者さんにコメント頂けるなんて……これからもよろしくお願いします (2019年2月22日 19時) (レス) id: 575ba94511 (このIDを非表示/違反報告)
のの。(プロフ) - 好きです。これからも更新頑張ってください。ほんとに楽しく読んでます、、ありがとう(((言いたいこと多すぎて何も言えない (2019年2月22日 14時) (レス) id: 823b20b1c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チェリブロ | 作成日時:2019年2月10日 20時