story4 ページ8
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「…Aさん…Aさん！」
「…！」
「着きましたよ」
Aは安室の声で現実に引き戻された。
最近『ヒロくん』の夢を見ることが多すぎやしないか。
「…すみません、寝てしまったみたいで」
「疲れていたんですよ、無理しないでくださいね」
寝起きで少しぼーっとしながら答えたAに、安室は笑いかけて、助手席のドアを開けてくれた。
残業していて帰宅時間が遅くなってしまったため、あのストーカーは今日はいないようだ。
「あ…郵便物取ってから行くので、先に上がっておいてください」
エントランスにて、ちょうどエレベーターが開いた際にAは思い出し、安室に予備の鍵を渡して郵便ポストの方へ向かった。
中には公共料金のハガキ。
そして、宛名が書かれていない、真っ白な封筒が入っていた。
また盗撮写真でも入っているのだろう。
「…はぁ」
回らない頭の中は、ストーカーに対しての『疲れ』でいっぱいいっぱいだった。
しかし、なぜ安室はこんなにも必死に相談に乗ってくれたのだろうか。
「全部終わったら考えよう…」
Aは欠伸をしながら、エレベーターに乗り、自室に向かった。
安室からスマホにメッセージが届いていたため、早速盗聴器を探し始めているのだろう。
鍵を開け、部屋に入り、ドアを閉めようとしたその時だった。
「…！？」
「Aさん…やっと会えた…」
見知らぬ男が、Aが閉めようとしたドアの隙間から手を入れ、ドアをこじ開けようとしていたのだ。
エレベーターにはA以外誰もいなかった。
非常階段からAが来るタイミングを伺っていたのだろう。
Aは眠気で気配に気づくことができなかったのだ。
「開けてくれ…君の気持ちには気づいているよ？」
「なんの事かさっぱりよ！離しなさい！」
さすがのAでも、男性の力に敵うはずもなく、ドアは徐々に開いていってしまう。
「…Aさん！」
Aの声で気づいたのか、リビングから安室が顔色を変えて駆けつけた。
彼は一瞬で状況を察知し、玄関で奮闘するAを大きな背中で隠すと、残った犯人の力で開いたドアからボディーブローを炸裂させた。
そして、気絶してしまった犯人をどこから取り出したのか、ガムテープでぐるぐる巻きにし始めた。
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つむぎ(プロフ) - 猫さん» ありがとうございます！(TT) そう言って頂けてとても嬉しいです！のんびり更新ですが、面白い続きが書けるように頑張ります！！ (2022年5月1日 17時) (
レス) @page5 id: bbde7c25ca (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 面白いです！！続き待ってます！ (2022年5月1日 9時) (レス) @page4 id: 159bb94574 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つむぎ | 作成日時：2022年4月24日 4時
