story2 ページ37
.
「ええっ！？リハーサルが見学できない？」
ホールのエントランスに園子の声が響き渡った。
「ごめんなさいね、実はまだ新曲の歌詞が完成してなくて…ステージ上で誰もいない客席を眺めながら書くから、2時間 1人にさせてくれって…」
そう言ったのは波土禄道のマネージャーである円城佳苗である。
こういうことはよくあるらしく、ライブの直前に歌詞が出来て、ぶっつけ本番で歌ったこともあるらしい。
そして、その後やってきたレコード会社の社長の布施憶康、雑誌記者の梶谷宏和の話によると、契約期間中にも関わらず、波土は引退を考えているらしい。
梶谷と円城マネージャーは、波土の休止を他誌にすっぱ抜かれ、編集長に大目玉を食らったことや、今回の新曲が波土の恋人の名前だということを言い争い、梶谷は会場から追い出された。
「じゃあウチらも帰ろっか？」
「そだね…明日学校だし…」
静かになった会場で最初に口を開いたのは園子たちだった。
「その方がいいかも…リハーサルいつ始まるか分からないから…」
「でも、最後のライブのリハーサルなら見た方がいいのでは？」
「昴さんには悪いですけど…」
「ウチらそんなにファンじゃないから…」
「え？じゃあここに来ようと言い出したのは誰なの？」
帰ろうとする蘭と園子にAがそう聞くと、2人はにやにやと笑い始めた。
「僕ですよ…」
会場入口の方から聞き慣れた声が聞こえた。
「ポアロの店で、僕が波土さんの大ファンだと話したらリハーサルを見られるように園子さんが手配してくれたんです。」
そう朗らかに言ったのは安室だった。
彼の後ろで梓がひょっこり顔を覗かせている。
「あれ？梓さんも来たんですか？」
「ポアロじゃ興味無さそうにしてたのに…」
「お店じゃ隠してたけど、私も大ファンなの！
でね、お店のシフトを終えてここへ向かう安室さんのアトをつけて来ちゃったってワケ！」
「驚きましたよ！ここへ入ろうとしたら、彼女に呼び止められて…まぁスタッフに事情を話してなんとか入れてもらいましたけど…」
2人の登場に驚いていると、蘭と園子の2人は楽しそうにAに耳打ちした。
「Aさんへのサプライズは安室さんですよ！」
「でも…安室さんと梓さん、あんなに距離近かったっけ…」
「ちょっと園子！」
2人の会話を聞き、安室と梓の方をちらりと見ると、彼らが腕を組んでいる様子が目に入った。
.
続く (更新停止中)
お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←story1
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 999人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
つむぎ(プロフ) - 猫さん» ありがとうございます！(TT) そう言って頂けてとても嬉しいです！のんびり更新ですが、面白い続きが書けるように頑張ります！！ (2022年5月1日 17時) (
レス) @page5 id: bbde7c25ca (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 面白いです！！続き待ってます！ (2022年5月1日 9時) (レス) @page4 id: 159bb94574 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：つむぎ | 作成日時：2022年4月24日 4時
