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黄色い髪をした恐らく鬼殺隊と思われる少年が、同じく人命救助にあたっているようだが、煉獄の姿は見えなかった。
「お姉さんは医者ですか?」
応急処置をしていると、黄色い髪の色をした少年が、声を掛けてきた。
「そんな大層なものではないよ。
君は鬼殺隊?」
「そうです!我妻善逸、善逸って呼んでください!」
「善逸、ね。私のことはAって呼んで。
命に関わりそうな怪我人がいたら呼んでくれないかな。
すぐ治療するから」
Aの手慣れた様子を見ていた善逸は、目を輝かせながら、はいっ!と物凄い速さで走り抜けていった。
Aが素早い手付きで応急処置をしていると、少し離れた所から善逸に呼ばれた。
善逸に呼ばれた場所へ行くと、伊之助と呼ばれた少年もおり、そして傍には片足の潰れた血塗れの、恐らく車掌であろう制服を着た人物がAの目に留まった。
「コイツは三太郎の腹を刺したんだ!
けど三太郎が助けろって言うから助ける!
俺は親分だからな!」
Aは三太郎?、と頭に疑問符を浮かべるが、目の前の車掌の状況があまり良くないため、急いで鞄の中から注射針とメスを取り出す。
「このままだと失血死するから、悪いけど斬るよ」
そうAが言うと車掌に注射をした後、手に持っていたメスで足をなぞる。
善逸も伊之助も目を疑った。
刀でもない、小さなメスで、しかも少しなぞっただけで、潰れた足が切断されたからだ。
さらに驚いたことに、切断面からは血が一切出て来なかった。
「Aさん…、一体…?」
「詳しい話は後。
この人はもう大丈夫。
次、行くよ」
俺は三太郎のところに行ってくる、と言う伊之助と別れ、Aは善逸と共に走り出した。
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さくら(プロフ) - カケオレさん» カケオレさん、コメントありがとうございます!少し忙しくなってしまい、土日しか更新が出来ないんですが、気長にお待ちいただけると嬉しいです! (2022年3月31日 23時) (レス) id: 8f829f7667 (このIDを非表示/違反報告)
カケオレ - 更新待ってます!頑張ってください! (2022年3月31日 14時) (レス) @page20 id: 661d0ebc5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくら | 作成日時:2022年3月6日 1時