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車両の中は、鬼の物であろう触手で溢れかえっていた。
煉獄と他の隊士達の力だろうか、眠っている乗客達にあまり怪我はなかった。
少しでも加勢をしようと自身の刀で触手を斬るも、日輪刀と違いすぐに復活してしまう。
Aは自分の無力さを痛感するが、そんなことを感じている場合じゃない、と、無我夢中で剣を振るう。
触手によって傷付けられた乗客がいれば治療を、鬼を屠る手が足りなければ触手を斬る剣を、Aは自分が今出来る最善の事をしよう、そう心に決めて。
ー あの時。
しのぶも宇髄も他の皆も、そして煉獄も。
私を信じようとしてくれていたのは本当は知っていた。
だけど、私自身がそれを信じられなかった。
怖かった。
また失うのが怖くて逃げた。
ただ私のエゴで皆を困らせた。
だから。
居場所を、
一時でも、私に居場所をくれたあの人達に恩返しをしようと。
初めて愛した彼に、恥じないように。
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さくら(プロフ) - カケオレさん» カケオレさん、コメントありがとうございます!少し忙しくなってしまい、土日しか更新が出来ないんですが、気長にお待ちいただけると嬉しいです! (2022年3月31日 23時) (レス) id: 8f829f7667 (このIDを非表示/違反報告)
カケオレ - 更新待ってます!頑張ってください! (2022年3月31日 14時) (レス) @page20 id: 661d0ebc5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくら | 作成日時:2022年3月6日 1時