66 夜が明ける時 ページ16
君が身を挺して助けてくれた、この命。
命の灯が消えるその日まで、大事に燃やし続けていこうと思う。
だが、A。
君がいなければ意味がないんだ。
だから、頼む。
どうか戻ってきてくれないか。
Aが倒れた後、助けに来た隠達によって、皆、蝶屋敷に運ばれた。
炭治郎と伊之助、善逸は、軽傷では無かったもののすぐに回復し、機能回復訓練に励んでいた。
煉獄は、Aの手術で一命は取り留めたが、移植を受けた身であり、回復には時間を要するものと考えられていた。
が、驚異の回復力により一月もしないくらいで、自身で起き上がることの出来るほどの回復を見せ、胡蝶を驚かせていた。
更にもう一月もすると、屋敷の中を一人で歩ける程に回復し、周囲の人間達を驚かせていた。
だが、潰れた左目は回復する兆しは無かった。
「もう、煉獄さん！
またですか？？
まだ完全に治ったわけじゃないんですからね？
あまり歩き回ってはだめですよ？」
「ははは、胡蝶、すまない！
どうしても黙って寝ていられなくてな！」
このやりとりは今日が初めてでは無い。
煉獄はいつも病床を抜け出し、あるところへ向かうのが日課になっていた。
「まだ、なのか？」
「…残念ながら」
胡蝶は煉獄の歩調に合わせ、ゆっくりと廊下を歩きながら、ある部屋の前まで来ると静かに戸を開ける。
そこには真っ白いベッドの上に横たわる、Aがいた。
Aはここ二月程、全く意識を戻さなかった。
それもそのはず、胡蝶曰く、生きていることの方が不思議、といった状況だと言う。
生命維持に必要な臓器のほとんどを俺に移植したからであった。
この状況で生きていられるのは、手術したのがAだから、だそうだ。
万が一、意識を取り戻しても、以前の様には生活出来ないであろうとのこと。
それよりもこのまま眠ったままの可能性の方が高いであろうと胡蝶は言っていた。
「こう見ると、まるでただ眠っているかのようですよね」
「…あぁ、そうだな」
「でもさすがAさんですよね。
炭治郎君から聞いた話では、煉獄さんはもう助からないと思ったそうですもんね」
「うむ。
俺自身も死を覚悟していた。
その後のことはあまり覚えていないのだが、まさかあんなことをするとは…。
Aらしいと言えば、そうなのだが」
煉獄は苦笑していた。
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さくら(プロフ) - カケオレさん» カケオレさん、コメントありがとうございます！少し忙しくなってしまい、土日しか更新が出来ないんですが、気長にお待ちいただけると嬉しいです！ (2022年3月31日 23時) (
レス) id: 8f829f7667 (このIDを非表示/違反報告)
カケオレ - 更新待ってます！頑張ってください！ (2022年3月31日 14時) (レス) @page20 id: 661d0ebc5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくら | 作成日時：2022年3月6日 1時
